会社を辞めて次の仕事が決まるまでの間、収入の空白を支えるのが雇用保険の基本手当です。一般に「失業手当」「失業保険」と呼ばれますが、正式には雇用保険の基本手当といいます。求職活動をしながら受け取る給付で、自動で振り込まれるものではなく、ハローワークでの手続きと、その後の定期的な「失業の認定」が必要です。
この記事では、受給の要件、待期、給付制限、受け取れる日数、金額の考え方、手続きの流れを、ハローワークと厚生労働省の公式情報にもとづいて順番に整理します。金額(上限額など)は毎年8月に改定され、受け取れる日数や制限は離職理由・年齢・加入期間で変わるため、自分の場合の正確な額は必ずハローワークで確認してください。制度情報は2026年9月20日に公式サイトで確認しました。
受け取れるのはどんな人か
基本手当を受け取るには、働く意思と能力があり、求職活動をしても就職できない「失業の状態」にあることが前提です。そのうえで、原則として離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要です(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html)。
ただし、倒産・解雇などで離職した特定受給資格者や、雇止め・正当な理由のある自己都合などの特定理由離職者は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給できる場合があります。自分がどの区分にあたるかは、離職票の離職理由やハローワークの判定で決まります。病気や出産・育児などですぐに働けない場合は、受給期間の延長という別の手続きがあります。
まず「待期7日」がある
求職の申込みをしたあと、離職理由にかかわらず失業の状態にある通算7日間は基本手当が支給されません。これを待期といいます(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)。これは雇用保険法第21条にも定められた、全員に共通する期間です(出典:https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116)。会社都合でも自己都合でも、まずこの7日を経てからでないと支給は始まりません。
自己都合退職の給付制限は「原則1か月」に短縮された
自分の都合で退職した場合は、待期の7日が終わったあとにさらに一定期間、基本手当が支給されない給付制限があります。ここは2025年(令和7年)に変わった重要な点です。
退職日が2025年4月1日以降の自己都合退職は、給付制限が原則1か月になりました(それ以前の退職は原則2か月でした)(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html)。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由のない自己都合退職をして受給資格の決定を受けている場合は、給付制限が3か月になります。給付制限の枠組み自体は雇用保険法第33条に定められています(出典:https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116)。
なお、2025年4月以降に、学び直し(リ・スキリング)のために教育訓練などを受けた場合は、給付制限が解除されるようになりました。倒産・解雇などの特定受給資格者や特定理由離職者には、そもそもこの給付制限はありません。
受け取れる日数(所定給付日数)
受け取れる日数は、離職理由の区分・年齢・被保険者期間の3つで決まります。会社都合(特定受給資格者など)のほうが手厚く設定されています。
一般の離職者(自己都合・定年など) は、年齢に関係なく被保険者期間だけで決まります(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html)。
| 被保険者期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
倒産・解雇など(特定受給資格者・一部の特定理由離職者) は、年齢と被保険者期間で細かく分かれ、日数も多くなります(同・出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」)。
| 年齢\被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 30〜35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
障害のある方など就職が困難な方は、さらに手厚い別の日数(最大360日)が定められています。受け取れる期間は原則として離職日の翌日から1年間なので、手続きを先延ばしにすると、日数が残っていても受け取れなくなることがあります。
1日あたりの金額(基本手当日額)
1日あたりの支給額(基本手当日額)は、離職前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った額(賃金日額)のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html)。賃金が低かった人ほど、率は高く設定されています。
金額には年齢区分ごとの上限額があり、毎年8月1日に改定されます。令和8年(2026年)8月1日現在の基本手当日額の上限額は次のとおりです(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html)。
- 30歳未満:7,450円
- 30歳以上45歳未満:8,270円
- 45歳以上60歳未満:9,110円
- 60歳以上65歳未満:7,830円
下限額も定められていますが、金額は改定のたびに変わります。自分の賃金にもとづく実際の日額は、離職票の賃金額をもとにハローワークが計算するので、見込みで家計を固めず、窓口で確認してください。
受給の流れ
基本手当は、次の順で手続きします(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)。
- 離職票を受け取る:退職後、勤務先から「雇用保険被保険者離職票」が届きます。
- ハローワークで求職申込み・離職票を提出:住所を管轄するハローワークで求職の申込みをし、離職票を提出して受給資格の決定を受けます。
- 待期7日:失業の状態にある通算7日を経過します。
- 雇用保険受給者初回説明会に出席:指定された日時に必ず出席します。
- 失業の認定(原則4週間に1度):認定日にハローワークへ行き、失業の状態にあることの確認を受けます。
- 振込:認定を行った日から通常5営業日で、指定口座に振り込まれます。
失業の認定と求職活動の実績
基本手当を受け続けるには、認定日ごとに原則2回以上の求職活動の実績が必要です(最初の認定日の対象期間中は1回)(出典:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)。求人への応募、ハローワークの職業相談・紹介、許可された職業訓練の受講などが実績になります。単に求人を眺めただけでは実績にならないため、認定日までに何をしたかを記録しておきましょう。
準備のチェックリスト
- 自分の離職理由(自己都合・会社都合・特定理由)の区分を確認した
- 被保険者期間が2年間で12か月以上(特定は1年間で6か月以上)あるか確認した
- 退職日が2025年4月1日より後かどうか(給付制限1か月か2か月か)を確認した
- 年齢と被保険者期間から、所定給付日数の目安を確認した
- 離職票が届いたら、早めにハローワークで手続きする段取りを決めた
- 認定日ごとに求職活動を2回以上行う予定を立てた
よくある質問
自己都合で辞めました。いつからお金が入りますか?
まず待期7日があり、そのあとに給付制限があります。2025年4月1日以降の退職なら給付制限は原則1か月です。待期・給付制限が終わり、最初の失業認定を受けてから振り込まれるため、退職してすぐには入りません。
会社都合と自己都合で、そんなに違うのですか?
はい。会社都合(特定受給資格者)は給付制限がなく、所定給付日数も手厚く設定されています。離職票の離職理由が実態と違うと感じる場合は、ハローワークで相談できます。
受け取れる日数が残っていれば、いつまででも受け取れますか?
いいえ。受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。手続きが遅れると、日数が残っていても期間切れで受け取れないことがあるため、早めに手続きしてください。
今日やることは3つです
まず、離職票の離職理由から自分の区分(自己都合・会社都合・特定理由)を確認します。次に、被保険者期間と年齢から、所定給付日数と、自己都合なら給付制限が1か月か2か月かを見当づけます。最後に、離職票が届いたら先延ばしにせず、住所を管轄するハローワークで求職申込みと受給資格の手続きをします。
失業手当は、次の仕事を探す間の家計を支える制度ですが、待期・給付制限・認定日という段階があり、受け取り始めるまでに時間がかかります。見込み額だけで家計を組まず、手元資金と固定費の支払日もあわせて確認してください。制度の適用や自分の日額に迷ったら、ハローワークの窓口で確認するのが確実です。
参考にした公式情報
- ハローワーク「基本手当について」
- ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
- ハローワーク「受給までの流れ」
- 厚生労働省「給付制限期間が変わります・給付制限の解除」
- e-Gov法令検索「雇用保険法」(第21条=待期・第33条=給付制限)
2026-09-20 時点の公式情報調べ。金額は毎年8月改定のため、最新はハローワークの公式サイトでご確認ください。
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検証の開示 — AI支援の範囲: この記事の構成と文章はAI(Claude/Codex)が作成しました。数値の実測主体: 運営者(公式資料からの読み取り)。検証日: 2026-09-20。公開責任者: せつやく暮らし帖 運営者。→ 検証方法