子どもが生まれて育児休業を取ると、その間は給与が出ないことが多く、収入の空白が不安になります。この時期を支えるのが、雇用保険の育児休業給付金です。出産費用そのものを補助する出産育児一時金とは別で、こちらは「育休で働けない間の収入」を補う給付です。
「67%しか出ないなら家計がもたない」と考えて育休をあきらめる人もいますが、育児休業給付は税金がかからず社会保険料も免除されるため、手取りで見ると額面の割合より目減りしにくいのが特徴です。さらに2025年4月からは、両親がそろって育休を取ると上乗せされる新しい給付も始まりました。この記事では、給付率・金額・対象期間・要件を順番に整理します。制度情報は2026年9月20日に厚生労働省・ハローワークの公式サイトで確認しました。
給付率は最初の半年が高い
育児休業給付金の1回あたりの額は、次の式で決まります(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html)。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 給付率
ここで大事なのが給付率です。給付率は途中で下がります。
- 育休開始から通算180日目まで:67%
- 181日目以降:50%
「休業開始時賃金日額」は、育休に入る前のおおむね半年間の賃金をもとに計算した1日あたりの額です。つまり、育休の前半(最初の約6か月)は月給のおよそ3分の2、後半はおよそ半分が支給される、というイメージです。産後パパ育休で受け取る「出生時育児休業給付金」の支給日数も、この180日のカウントに合算されます。
支給上限額(令和8年8月〜)
給付率をかけたあとの金額には上限と下限があります。この上限額は毎年8月1日に改定されるため、必ず最新の額で確認してください。現在は令和8年(2026年)8月1日からの額が適用されています(出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001728499.pdf)。
- 育児休業給付金の支給上限額(給付率67%のとき):332,454円(1か月あたり)
- 育児休業給付金の支給上限額(給付率50%のとき):248,100円(1か月あたり)
- 計算のもとになる「休業開始時賃金月額」の上限:496,200円/下限:96,090円
つまり、育休前の給与がかなり高い人でも、上限額を超えては支給されません。逆に、給与が低くても下限が設けられています。自分の額は、育休前の賃金と支給日数で変わるので、勤務先やハローワークで試算してもらうのが確実です。
2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」
2025年(令和7年)4月1日から、出生後休業支援給付金という新しい給付が始まりました(出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001599643.pdf)。これは、両親がそろって育休を取ったときに上乗せされる給付です。
- 父は子の出生後8週間以内、母は産後休業のあと8週間以内に、本人と配偶者がともに14日以上の育休を取ることが条件。
- この条件を満たすと、最大28日間、給付率が13%上乗せされます。
- 通常の育児休業給付67%にこの13%を足すと、給付率は80%になります。育児休業給付は非課税で社会保険料も免除されるため、この期間は手取りで10割相当になると案内されています。
配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などは、本人だけの取得でも対象になります。夫婦で育休の時期を合わせられそうなら、この上乗せを受けられるかどうかを早めに確認しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
対象になる人の要件
育児休業給付金を受けるには、雇用保険に加入していることに加えて、次の要件があります(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html)。
育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(それがない場合は就業時間が80時間以上の月)が、12か月以上あること。
働き始めて間もない場合や、休職などで働いた日数が少なかった期間がある場合は、この要件を満たすかどうかを勤務先やハローワークで確認しておくと安心です。
いつまで受け取れるか
育児休業給付金は、原則として子が1歳になる日の前日まで受け取れます。ただし、次のように延長できる場合があります(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html)。
- 保育所に入所できないなどの理由があるとき:1歳6か月まで
- それでも入所できないなどの場合:さらに最長2歳まで
- 両親がともに育休を取る「パパ・ママ育休プラス」を使うとき:1歳2か月まで
延長には、保育所の入所保留通知など、要件を満たすことを示す書類が必要です。延長したい場合は、期限に間に合うよう早めに手続きを確認してください。
申請の流れ
育児休業給付金は、原則として勤務先(事業主)を通じてハローワークへ申請します(出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001599643.pdf)。
- 勤務先に育児休業を申し出る:育休の取得と、給付金の申請を勤務先に伝えます。
- 必要書類をそろえる:賃金の額が分かる書類や、母子健康手帳など出産・育児の事実が分かる書類を準備します。
- 勤務先経由で申請する:勤務先がハローワークへ申請書を提出します(本人が希望すれば自分で手続きすることもできます)。
- 支給を受ける:認定されると、育休開始からの期間に応じて指定口座に振り込まれます。
なお、育児休業給付の申請手続きは2026年8月から見直しが行われる旨が案内されています。具体的な提出時期や書類は、勤務先の担当部署やハローワークの最新の案内で確認してください。
準備のチェックリスト
- 自分が雇用保険の被保険者で、要件(前2年間で賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上)を満たすか確認した
- 育休前の給与から、給付率67%・50%でおおよその額を試算した
- 支給上限額(令和8年8月〜は67%で332,454円)を超えないか確認した
- 夫婦で育休を取れる場合、出生後休業支援給付金(13%上乗せ)の条件を確認した
- 保育所に入れないなどで延長が必要になりそうか、延長の要件を確認した
- 勤務先の育休・給付金の担当窓口と、申請の流れを確認した
よくある質問
給付率67%だと、手取りはどれくらい減りますか?
育児休業給付は非課税で、育休中は社会保険料も免除されます(出典:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20140122-01.html)。そのため、額面の割合(67%)よりも手取りベースでの目減りは小さくなります。出生後休業支援給付金の条件を満たす期間は、合計80%の給付で手取り10割相当になると案内されています。
夫婦のどちらかしか育休を取れない場合、上乗せは受けられませんか?
原則は両親がともに14日以上取ることが条件ですが、配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親家庭の場合などは、本人だけの取得でも対象になります。自分が当てはまるかは、公式の案内や勤務先で確認してください。
上限額はいつ変わりますか?
支給上限額は毎年8月1日に改定されます。この記事は令和8年(2026年)8月1日からの額を前提にしています。手続きの前に、最新の額を確認してください。
育休を延長したら、給付率はどうなりますか?
延長した期間も、通算180日目までは67%、181日目以降は50%という給付率の考え方は変わりません。延長には要件を満たす書類が必要です。
今日やることは3つです
まず、自分が雇用保険の要件(前2年間で賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上)を満たすかを確認します。次に、育休前の給与をもとに、給付率67%・50%でおおよその受給額を試算します。最後に、夫婦で育休を取れそうなら、出生後休業支援給付金の13%上乗せの条件に当てはまるかを確認します。
育児休業給付金は、育休中の家計を支える大きな柱ですが、給付率が途中で下がることや上限額があることを知らないと、受け取れる額を読み違えてしまいます。制度の細かい適用に迷ったら、勤務先の担当窓口やハローワークへ相談するのが確実です。
参考にした公式情報
- 厚生労働省「育児休業等給付について」
- ハローワーク「育児休業等給付」
- 厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」
- 厚生労働省「2025年4月から 出生後休業支援給付」(リーフレット)
- 厚生労働省「雇用保険給付の支給限度額」(令和8年8月1日〜)
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」
2026-09-20 時点の公式情報調べ。最新は厚生労働省・ハローワークの公式サイトでご確認ください。
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検証の開示 — AI支援の範囲: この記事の構成と文章はAI(Claude/Codex)が作成しました。数値の実測主体: 運営者(公式資料からの読み取り)。検証日: 2026-09-20。公開責任者: せつやく暮らし帖 運営者。→ 検証方法