節約術

食器洗いの給湯温度を見直す|38℃を目安に無理なく試す手順

食器洗いに使うお湯を40℃から38℃へ見直す考え方と、給湯器・水栓に合わせた設定手順、油汚れや冬場に無理をしない判断基準を公式情報から解説します。

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食器洗いの給湯温度を確認する台所

この記事で分かること

食器洗いに使うお湯を40℃から38℃へ見直す考え方と、給湯器・水栓に合わせた設定手順、油汚れや冬場に無理をしない判断基準を公式情報から解説します。

食器を洗うたびに熱いお湯を使っているなら、給湯温度を一度だけ確認してみてください。食器洗いでは、いつも同じ高めの温度が必要とは限りません。給湯器の設定を40℃から38℃へ下げるだけでも、水を温めるために使うエネルギーを減らせます。

ただし、数字だけを見て一律に38℃へ固定すればよいわけではありません。油汚れが多い日、冬の冷たい水、家族が同時にお風呂を使う時間帯では、必要な温度や給湯器の動きが変わります。この記事では、ガス代全体の見直しではなく、台所の食器洗いに絞って、温度を下げても洗い直しを増やさない手順を整理します。

ガス代を左右するお風呂、シャワー、契約単価までまとめて見たい場合は、ガス代の節約はお湯からをご覧ください。

まず知りたい結論|40℃から38℃を試す

資源エネルギー庁は、食器洗いの給湯温度を低くすることを家庭の省エネ行動として案内しています。同庁の試算では、水温20℃の水を1日65L使い、給湯器の設定温度を40℃から38℃へ下げて1日2回手洗いする場合、冷房期間を除く253日で年間8.80m³のガスを減らせるとしています。金額の目安は年間約1,430円です(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html)。

この金額は、決められた水量、回数、期間、単価による試算です。自宅でも必ず同じ金額になるという意味ではありません。実際の差は、給湯器の種類、地域の水温、都市ガスかLPガスか、使う湯量、契約単価などで変わります。

金額より、変更幅を見る

注目したいのは金額そのものより、2℃下げるという小さな変更でも、毎日の給湯では差が積み重なることです。水から40℃まで温めるより、38℃まで温める方が必要な熱は少なくなります。食器洗いの快適さを大きく変えずに試せるため、最初の目安として38℃が使えます。

給湯温度と蛇口から出る温度は同じとは限らない

給湯器のリモコンに表示される温度は、給湯器が作るお湯の設定です。台所の蛇口に温度調節レバーがある場合は、そこで水が混ざるため、蛇口から出る温度が表示どおりになるとは限りません。配管を通る間の放熱や、同時に別の場所でお湯を使うことでも変化します。

東京ガスは、食器洗いに適した温度の目安として、夏は35~40℃、冬は37~40℃を案内しています。一方、給湯器全体のおすすめ設定は、温度調節機能付き水栓で水と混ぜて使うことを前提に50℃前後としています(出典:https://home.tokyo-gas.co.jp/column/boiler/0158/)。

つまり、家の設備によって調整する場所が違います。

  • 台所専用のリモコンで温度を変えられるなら、食器洗いの時間だけ38℃を試す
  • 給湯器の設定が浴室などと共通なら、家族が使う時間と用途を確かめてから変える
  • 温度調節機能付き水栓なら、給湯器の説明書が指定する温度を保ち、台所の水栓側で使いやすい温度へ調節する
  • 蛇口が湯と水に分かれているなら、実際に手へ当たる温度を確かめながら混ぜる

給湯器の設定温度を下げることと、台所の蛇口で水を混ぜて低くすることは同じ操作ではありません。使用中の給湯器と水栓の取扱説明書を優先してください。

5分でできる給湯温度の見直し手順

温度変更は、洗い物が少ない日に一段階だけ試すと判断しやすくなります。次のチェックリストを上から進めてください。

食器洗い前のチェックリスト

  • 給湯器のリモコンが台所専用か、浴室と共通かを確認する
  • 家族がお風呂や洗面でお湯を使っていない時間を選ぶ
  • 現在の設定温度をメモする
  • 40℃なら38℃へ、変更幅を2℃だけにする
  • 食べ残しと油をへらや古布などで先に取り除く
  • 洗い桶やボウルを使えるなら、つけ置きしてから洗う
  • 汚れ落ち、手の冷え、すすぎ残しがないか確認する
  • 問題があれば元の設定へ戻し、汚れが軽い日だけ低温を使う

最初から年間の効果を測る必要はありません。まず一回の食器洗いで、落ちにくい汚れが残らないか、洗剤を増やさずに済むか、手が冷えないかを見ます。合わなければ元へ戻せるため、我慢を前提にしなくて大丈夫です。

設定を変えた後は、家族にも一言伝えてください。給湯器が浴室と共通の場合、知らないうちに設定が変わると、シャワーがぬるい、いつもの温度でお湯張りできないといった不便につながります。家族が使い終わった後に台所だけで試し、終了後に元へ戻す方法でも構いません。

温度だけでなく、お湯の量も一緒に整える

給湯温度を2℃下げても、お湯を長時間流し続ければ、使うエネルギーと水は増えます。反対に、温度を無理に下げなくても、出しっぱなしを減らせば使う湯量を抑えられます。温度と湯量は、どちらか一方だけでなく組み合わせて考えるのが実用的です。

資源エネルギー庁は、食器を水につけ、へらや古布で汚れを拭き取ってから洗う「ため洗い」を案内しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html)。先に固形物と油を落とせば、熱いお湯で長く流す必要が減ります。

洗う順番を決める

洗う順番も役立ちます。まずコップや箸など汚れの軽いもの、次に皿、最後に油の付いた鍋やフライパンへ進むと、洗い桶の水やスポンジを汚しにくくなります。すすぐ物をまとめ、蛇口を開ける時間を区切れば、温度を下げるだけより行動が安定します。

食器の数が少ないときは、流水を細くし続けるより、いったん止めて洗い、まとめてすすぎます。家族分が多いときも、食べ残しを先に取り除き、つけ置きの時間を使う方が、こびり付きを熱い湯で追いかけるより続けやすい方法です。

水道代と合わせて考える

水道代側の考え方や、ため洗いの注意点は水道代の節約で説明しています。ここでは、低めの温度で落とせる状態を先に作ることが給湯の節約にもつながる、と覚えておけば十分です。

38℃にこだわらない方がよい場面

油汚れが多い日

揚げ物の皿や脂の付いた調理器具は、低い温度では汚れが残りやすいことがあります。東京ガスは、油汚れには37℃より38~40℃程度のお湯の方が落ちやすいと案内しています(出典:https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/7847)。

この場合は、設定を低くしたまま洗剤や水量を増やすより、汚れを拭き取ったうえで必要な物だけ温度を戻す方が合理的です。すべての食器を同じ条件で洗わず、コップや軽い汚れは低温、油の多い鍋は適温、と分けます。

冬に手が冷えてつらい日

給水温度は季節で変わります。同じ38℃設定でも、配管や水栓の条件によって手元の温度や温まるまでの待ち時間は同じではありません。冷えを我慢して洗い物を避けるようになったり、洗い直しが増えたりするなら、節約として続きません。

東京ガスが示す食器洗いの目安も、夏35~40℃、冬37~40℃と幅があります。冬は40℃、暖かい日は38℃など、季節と体感に合わせて使い分けてください。ゴム手袋を使う方法もありますが、肌に合うか、滑って食器を落とさないかを確かめます。

給湯器や水栓が低温設定に向かないとき

給湯器には設定できる最低温度があり、水温が高い時期には設定どおりの低温にならない機種もあります。ノーリツも、ぬるめや食器洗い向けの低い給湯温度に設定した場合、水温が高いとその温度にならないことがあると案内しています(出典:https://faq.noritz.co.jp/%E3%81%8A%E6%B9%AF%E3%81%AE%E9%81%A9%E5%88%87%E3%81%AA%E8%A8%AD%E5%AE%9A%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84-678f3eaecbf18433947c90b2)。

設定できない場合の確認先

リモコンに38℃がない、温度が安定しない、点火と停止を繰り返すように感じる場合は、自己流で操作を重ねず、取扱説明書の設定範囲と水栓の使い方を確認してください。故障を疑う症状がある場合は、メーカーや設置事業者へ相談します。

食器洗い乾燥機がある家庭は、手洗いと分けて考える

食器洗い乾燥機は、本体が内部で水を温める機種と、給湯接続に対応する機種があります。給湯器の温度を38℃へ変えれば、すべての食器洗い乾燥機の消費エネルギーが同じように減るとは限りません。接続条件、対応温度、選べるコースは機種ごとに異なります。

資源エネルギー庁は、食器洗い乾燥機では食器をまとめて洗うこと、少量なら少量コースなどを選ぶこと、洗剤の適量を守ること、洗浄後に余熱で乾燥することを省エネの工夫として紹介しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html)。

手洗いと機械の設定を分ける

食器洗い乾燥機を使う家庭は、給湯温度を推測で変える前に取扱説明書の「給水・給湯」「接続できる温度」を確認してください。手洗いするコップや鍋だけ38℃を試し、機械に入れる食器は本体の省エネコースでまとめ洗いする、と分ければ混乱しません。

効果を確かめるなら請求額より使用量を見る

給湯温度を見直した直後に、ガスの請求額だけで効果を判定するのは難しい方法です。ガスの使用量は、気温、入浴、シャワー、調理、在宅時間などでも変わります。単価が変われば、使用量が減っても請求額が同じになることもあります。

記録するなら、次の三つで十分です。

  1. 食器洗いに使った設定温度
  2. 38℃で困らなかった日と、40℃へ戻した日の条件
  3. 検針票や請求画面の前年同月と今月の使用量

一週間ほど試すと、「軽い汚れなら38℃」「油物と冬は40℃」のように、自宅に合う使い分けが見えてきます。温度を毎回細かく記録することが負担なら、リモコンの近くに「普段38℃、油物40℃」と短くメモするだけでも構いません。

年間約1,430円という公的な試算は、行動を始める目安にはなりますが、家計簿へ先に節約額として計上する数字ではありません。自宅では使用量がどう変わったかを確かめ、効果が小さくても手間が増えないなら続ける、洗い直しが増えるなら戻す、と判断します。

今日やるなら、ここまでで終わりです

  • 給湯器と水栓の取扱説明書で、温度を調整する場所を確認する
  • 家族がほかでお湯を使っていない時間に、40℃から38℃へ一度だけ下げる
  • 食器の汚れを先に拭き取り、軽い物から洗って、落ち方と手の冷えを見る
  • 油汚れが残る、寒い、家族が困る場合は40℃へ戻す

食器洗いの給湯温度は、低いほど正解ではありません。38℃は、公式の試算にも使われている試しやすい目安です。汚れと季節に合わせて38~40℃を使い分け、同時にお湯の出しっぱなしを減らす。それなら、洗い直しや我慢を増やさず、毎日の給湯エネルギーを見直せます。

よくある質問

38℃に設定すれば、年間約1,430円必ず安くなりますか?

必ず同じ金額になるわけではありません。資源エネルギー庁の数字は、水温20℃の水を65L使い、40℃から38℃へ下げ、1日2回、253日手洗いする条件による試算です。自宅の湯量、給湯器、給水温度、ガスの種類と単価で結果は変わります。請求額ではなく、前年同月のガス使用量も合わせて確認してください。

給湯器を38℃にしたのに、蛇口のお湯がぬるいのはなぜですか?

水栓で水が混ざっている、配管で熱が逃げている、別の場所でもお湯を使っているなどの可能性があります。温度調節機能付き水栓では、給湯器側に必要な設定温度が指定されている場合があります。まず給湯器と水栓の取扱説明書を確認し、家全体の設定を自己流で下げ続けないでください。

油汚れも38℃で洗えますか?

汚れの量によります。先に油を拭き取れば低めの温度でも洗いやすくなりますが、東京ガスは油汚れには38~40℃程度のお湯が落ちやすいと案内しています。軽い食器は38℃、油の多い調理器具だけ40℃という使い分けができます。温度を下げた結果、洗剤やすすぎ時間が増えるなら元へ戻しましょう。

参考にした公式情報

2026-07-23 時点の公式情報調べ。最新は公式サイトでご確認ください。