節約術

ガス代の節約はお湯から|無理なく効く順番

ガス代を左右するお湯の量、温める幅、単価の考え方を整理し、お風呂・台所で先に見直すことと、都市ガスとプロパンの違いを公式情報から解説します。

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やかんとバスタオル、温度計が並んだ机

この記事で分かること

ガス代を左右するお湯の量、温める幅、単価の考え方を整理し、お風呂・台所で先に見直すことと、都市ガスとプロパンの違いを公式情報から解説します。

ガス代で最初に確認するのは、節約ワザではなく請求書の使用量と単価です。都市ガスとLPガスは単位や料金の仕組みが異なるため、混同せずに切り分けます。家庭で使うエネルギーの中で給湯は大きな用途であり、東京ガスもお風呂を家庭で最も多くお湯を使う場所として案内しています(出典:https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/10162)。

確認項目都市ガスLPガス
請求書から拾う値使用量(m³)、基本料金、従量単価、原料費調整額使用量(m³)、基本料金、従量料金、設備料金
比較の単位同じ供給地域・料金プラン内で比べる契約中の販売事業者と契約条件で比べる
先に尋ねること適用単価と割引条件三部料金の内訳と解約・設備条件

数値入りの計算式の例:先月18m³、今月22m³、今月の従量単価が180円/m³なら、使用量差による増加は「(22-18)×180=720円」です。さらに単価が先月170円/m³から10円上がった影響は「先月と同じ18m³×10=180円」と分けます。基本料金や調整額は別に比較してください。

7日間は、毎日同じ時刻に「メーター値、入浴人数、追い焚き回数、シャワー時間、給湯設定温度」を記録します。例は、1日目12.0m³・追い焚き1回、2日目12.4m³・追い焚き0回のように差分を残し、7日後に生活行動と使用量の動きを照合します。

ここで扱うのは、水そのものではなく、その水を温める熱です。浴槽の水量や残り湯の再利用など、水の使い方は水道代の節約で詳しく説明しています。この記事では重ねて説明せず、ガスの側から効く順番を整理します。

契約と単価を比べるなら電気・ガス乗り換え比較、給湯設定の影響を確かめるなら給湯器の設定温度とガス代へ進んでください。

ガス代を決める三つの要素

ガス代のうち、使い方で動く部分は次の形で考えると迷いません。

ガス代 = お湯を作る量 × 温める幅 × 単価

  • お湯を作る量を減らす:シャワーを流す時間や、浴槽・洗い物で使うお湯を見直します。
  • 温める幅を小さくする:水から設定温度まで、どれだけ温めるかを見直します。水温が低い季節ほど同じ設定温度までの幅は大きくなります。
  • 単価を見直す:都市ガスかLPガスか、契約先を選べる住まいかを確認します。

細かな節約ワザも、分けてみればこのどれかです。最初から全部に手を出す必要はありません。まず追い焚きを減らし、次にシャワーと設定温度を見直し、最後に検針票でガスの種類と契約条件を確認すれば十分です。

最初にすること|追い焚きを減らす

お風呂では、温めたお湯を冷ましてから、もう一度温める流れを減らすのが先です。冷めたお湯の追い焚きは、逃げた熱をガスで補う動作だからです。

資源エネルギー庁は、入浴の間隔を空けないことと、浴槽にふたをして熱が逃げるのを抑えることを省エネ行動として案内しています。同庁の試算では、200Lのお湯が2時間で4.5℃低下した後の追い焚きを1日1回減らすと、年間38.20m³のガス使用を減らせます。これは一定の条件による目安であり、実際の効果は浴槽、外気温、給湯器などで変わります(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/bathtoilet/index.html)。家族で入浴するなら、帰宅や食事の時間を踏まえて、続けて入りやすい時間にお湯を張ります。すぐに入らない人がいるときは、浴槽のふたを閉めておきましょう。

自動保温は便利ですが、冷めた分を温め直す機能でもあります。毎日の予定に合わない長い保温設定になっていないか、給湯器の説明書で確認してください。家族の入浴時間を無理にそろえるのではなく、そろえられる日だけ続けて入るくらいで構いません。

残り湯を洗濯や掃除へ回す話は、水道代を減らす方法です。対応する洗濯機や入浴剤の条件もあるため、詳しくは水道代の節約をご覧ください。

次にすること|シャワーを流す時間と温度を見直す

シャワーを出している間、給湯器は水を温め続けます。髪や体を洗っている間まで流し続けず、止められる場面では止める。それだけで、作るお湯の量を減らせます。資源エネルギー庁は、シャワーを不必要に流したままにしないよう案内しています。同庁の試算条件では、45℃のお湯を流す時間を1日1分短くすると、年間12.78m³のガスと4.38m³の水道使用量を減らせます。また、シャワー1分間の湯量は12Lが目安です(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/bathtoilet/index.html)。金額は単価で変わるため、自宅の請求額をそのまま同じ額だけ減らせるという意味ではありません。

手元で止められるシャワーヘッドは、止める動作を続けやすくする道具です。ただし、水栓や給湯器との相性があります。購入前に、現在のシャワーホースへ取り付けられるか、手元止水に対応しているか、家族が使いにくい水圧にならないかを確認してください。道具を替えても浴びる時間が長くなれば、期待した見直しにはなりません。

設定温度を無理のない範囲で下げることは、温める幅を小さくする方法です。東京ガスは、お風呂や台所の設定温度を下げることが省エネにつながると案内しています(出典:https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/10162)。熱いお湯を蛇口で水と混ぜる使い方をしているなら、実際に使いたい温度へ給湯器側の設定を近づけられないか、取扱説明書を見ながら調整します。

ただし、温度は体調と使い道を優先してください。寒い日に体を冷やすほど下げる、食器の油汚れが落ちない温度で我慢する、といった使い方は勧めません。家族で心地よい温度が違う場合も、低い方へ無理に合わせないでください。

台所は「お湯を出す時間」と「熱を逃がさない」を見る

台所で最初に見るのは、洗い物の間ずっとお湯を流していないかです。洗う前に食器の汚れをへらや古布で拭き取り、つけ置きやため洗いを使うと、お湯を出す時間を短くできます。資源エネルギー庁も、出しっぱなしを避け、食器洗いでは低めの給湯温度を使う方法を案内しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html)。

給湯温度は、汚れ落ちと手の冷えに困らない範囲で調整します。水だけで我慢するのではなく、必要なときはお湯を使い、流し続ける時間と温めすぎを減らす考え方です。

コンロでは、鍋ややかんにふたをして熱を逃がしにくくします。炎が鍋底からはみ出していると、鍋ではなく周囲へ熱が逃げます。鍋底に収まる火力へ調整し、沸いた後は料理に合う火力へ下げてください。資源エネルギー庁も、鍋のふたと、炎を鍋底からはみ出させない使い方を省エネの工夫として紹介しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html)。

核心|都市ガスとプロパンは料金の仕組みが違う

使い方を整えても、単価そのものが高ければ請求額には限界があります。ここは努力不足の話ではありません。自宅が都市ガスか、プロパンとも呼ばれるLPガスかを、検針票や請求画面で確認してください。

LPガスは、販売事業者が価格を決める自由料金です。資源エネルギー庁も、LPガス販売事業者が自由に価格を設定する制度だと案内しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/form/form-keyword.html)。地域で一つの単価が決まっているわけではないため、同じ地域でも販売事業者や契約が違えば料金は同じとは限りません。賃貸集合住宅では物件ごとに供給する事業者が決まっていることがあり、物件の条件も確認が必要です。

これは、お湯の使い方だけでは埋められない違いです。検針票の使用量が大きく変わっていないのに請求額が気になるときは、基本料金、従量料金、設備料金の内訳を見てください。2025年4月2日から、LPガス料金をこの三つに分けて算定根拠を通知する「三部料金制」のルールが施行されています。新規契約ではLPガス消費と関係のないエアコンやWi-Fi機器などの費用をLPガス料金へ含めることが禁止され、賃貸住宅向けの新規契約ではガス器具などの消費設備費用も請求できません。三つの区分の通知は、新規契約だけでなく既存契約にも適用されます(出典:https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250402001/202500402001.html)。設備料金が0円でも区分が表示される場合があります。分からない項目は、契約中の販売事業者へ算定根拠の説明を求めましょう。

持ち家や契約者本人なら、比較できる余地がある

戸建ての持ち家など、自分が設備と契約を管理している場合は、現在の契約期間、解約条件、設備の所有関係、保安対応を確認したうえで、別のLPガス販売事業者を比較できることがあります。都市ガスも、供給地域と契約条件によっては小売会社を選べます。

ただし、会社名や見かけの単価だけで決めず、請求全体と契約条件を同じ基準で比べる必要があります。都市ガスの契約やセット割を含む比較は、電気・ガス乗り換え比較でまとめています。

賃貸のLPガスは、入居者だけで変えられないことがある

賃貸集合住宅のLPガスでは、入居者が販売事業者を事実上選べないことがあります。東北経済産業局は、物件側が選んだ事業者の料金を入居者が受け入れざるを得ない課題を案内しています(出典:https://www.tohoku.meti.go.jp/s_shigen_ene/tekiseika.html)。

その場合、「ガス会社を変えればよい」と入居者へ勧めても解決しません。まず管理会社や大家さんへ、料金表と供給契約、事業者を見直せるかを確認する話になります。これから部屋を探す人は、入居を決める前にLPガスの料金表を不動産会社へ尋ねると、家賃以外の条件も比べられます。

一方、賃貸でも現在の供給が都市ガスで、契約名義が本人なら、小売会社を選べる場合があります。都市ガスの小売は全面自由化されていますが、実際に申し込める会社や供給地域は事業者ごとに異なります(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/index.html)。建物一括の契約や他人名義などの制約もあるため、検針票と賃貸借契約を先に確認してください。

やってはいけないガス代の節約

お湯の温度を下げすぎない

寒い季節に、体が冷えて体調を崩すほど温度を下げる必要はありません。洗い物も、油や洗剤が残って洗い直しになれば、暮らしの負担が増えます。快適さと衛生を保てる範囲で調整してください。

給湯器の電源を自己流でこまめに切らない

給湯器は機種によって、追い焚き、自動保温、暖房、凍結予防の動きが異なります。ノーリツは、外気温が下がると凍結予防の安全装置が自動で作動するため、給湯機器の電源プラグを抜かないよう案内しています(出典:https://www.noritz.co.jp/aftersupport/disaster/cold_wave.html)。追い焚き機能のある機種では、浴槽の水を循環させて配管の凍結を防ぐものもあります。

リモコンの運転スイッチを切ることと、機器の電源プラグを抜くことも同じではありません。「使わないときは何を切るか」「寒い日に浴槽の水を残すか」は、使用中の給湯器の取扱説明書に従ってください。メーカーが想定していない操作を、節約のために繰り返すことは勧めません。

冬に水だけで我慢しない

手洗いや入浴でお湯が必要なら使ってください。このサイトは、寒さや不快さに耐える方法を節約として売りません。温度を少し見直す、流しっぱなしを止める、ふたを閉めるなど、暮らしを壊さない行動を先に選びます。

今日やるなら、ここまでで終わりです

  • 家族が続けて入れる日は入浴間隔を詰め、浴槽のふたを閉める
  • シャワーと洗い物は、使っていない間のお湯を止める
  • 検針票で都市ガスかLPガスかを確認し、賃貸なら変更できる契約かを管理会社へ聞く

上から一つだけでも構いません。細かなコンロ技より先に、お湯を温め直す回数と、お湯を作り続ける時間を見る。それでも高いと感じたら、使い方ではなく単価と住まいの契約条件を確認する。この順番なら、我慢を増やさずに原因へ近づけます。

よくある質問

ガス代が急に高くなったときは、何から確認すればよいですか?

最初に、今月と前年同月の「使用量」を比べます。請求額だけが上がり、使用量が大きく変わらないなら、単価や料金調整、契約内容の変化を請求明細で確認します。使用量も増えているなら、寒さで給水温度が下がったこと、入浴間隔、シャワー時間、家族の在宅時間などを振り返りましょう。LPガスでは販売事業者が価格を設定する自由料金制なので、基本料金・従量料金・設備料金の算定根拠が分からなければ契約先へ問い合わせます(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/form/form-keyword.html)。

お風呂は追い焚きと入れ直しのどちらが安いですか?

残っているお湯の量や温度、給湯器の効率、水道料金によって変わるため、常に一方が安いとは言い切れません。ただし、まだ温かいお湯を短時間で追い焚きする場合と、冷え切った大量のお湯を温め直す場合では必要な熱が違います。まずは浴槽のふたを閉め、家族の入浴間隔を無理なく短くして、冷める前に使い切るのが確実です。資源エネルギー庁も、入浴間隔を空けないことと浴槽にふたをすることを案内しています(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/bathtoilet/index.html)。

賃貸のプロパンガスが高い場合、入居者でも会社を変更できますか?

賃貸集合住宅では建物全体の供給事業者が決まっており、入居者だけで変更できないことがあります。まず管理会社や大家さんへ、料金表、契約先、見直しの可否を確認してください。2025年4月2日施行のルールでは、請求を基本料金・従量料金・設備料金に分けて通知することが求められています。また、同日以降の賃貸住宅向け新規契約では、ガス器具などの消費設備費用をLPガス料金として請求することは禁止されています(出典:https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250402001/202500402001.html)。

参考にした公式情報

2026-07-23 時点の公式情報調べ。最新は公式サイトでご確認ください。