節約術

ATM手数料をゼロにする銀行の選び方と使い分け

ATM手数料をゼロに近づけるために、無料回数の多さだけでなく、生活圏のATM、利用時間、入出金条件から銀行を選び、主口座と予備口座を使い分ける方法を解説します。

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銀行カードと生活圏のATMを書き込んだメモ

この記事で分かること

ATM手数料をゼロに近づけるために、無料回数の多さだけでなく、生活圏のATM、利用時間、入出金条件から銀行を選び、主口座と予備口座を使い分ける方法を解説します。

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ATM手数料をゼロにしたいとき、最初に「無料回数が最も多い銀行」を探す必要はありません。大切なのは、自分が現金を必要とする場所と時間に、無料で使えるATMがある銀行を選ぶことです。月に何回無料でも、生活圏に対象ATMがなければ使い切れません。反対に、通勤途中や買い物先に無料ATMがあり、月一回の引き出しで足りるなら、複雑な優遇条件は不要です。

たとえば、1回220円の手数料を月3回払うと、年間では7,920円です。金額だけを見ると口座を変えたくなりますが、先に直すべきなのは「夜に同じ有料ATMを使う」「少額を何度も下ろす」といった発生パターンです。利用する時間や回数を変えるだけで解決するなら、給与振込先や公共料金の引落口座まで移す必要はありません。

すでにネット銀行でATM・振込手数料を減らす方法では、明細から必要な無料回数を数え、優遇条件を読む手順を説明しています。この記事では内容を重ねず、ATMの場所と使う時間から銀行を選び、主口座と予備口座をどう使い分けるかに絞ります。

先に結論|「銀行」より「無料で使える動線」を選ぶ

ATM手数料をゼロにする条件は、次の三つがそろうことです。

  1. 普段通る場所に、対象のATMがある
  2. 自分が使う曜日・時間帯が無料である
  3. 預け入れと引き出しの両方が、自分に必要な回数だけ無料である

銀行の広告にある「最大月何回」だけでは、この三つを判断できません。無料回数が付くための残高や取引条件、対象ATM、入出金の区別、時間帯、無料回数を超えた後の料金まで公式ページで確認します。

口座の役割は、基本的に二つで十分です。給与や年金、口座振替を集める主口座と、主口座のATMが使えない場所や時間を補う予備口座です。予備口座は必須ではありません。主口座だけで生活圏をカバーできるなら、一口座の方が残高や認証情報を管理しやすくなります。

無料回数より先に見る四つの条件

一つ目は、ATMの設置場所

自宅、職場、よく使うスーパー、最寄り駅の四か所を地図に書き、普段の移動経路から大きく外れずに寄れるATMを探します。コンビニATMでも、銀行によって提携先と手数料が違います。同じコンビニの看板があっても、店舗内のATM運営会社が同じとは限らないため、ATM本体の表示も確認してください。

手数料を避けるために遠回りし、時間や交通費を使っては本末転倒です。「帰宅途中に寄れる」「週末の買い物と一緒に使える」など、続けやすい場所を優先します。

二つ目は、無料になる時間帯

「その銀行のATMなら無料」と思い込まず、曜日と時間帯を確認します。たとえばセブン銀行の公式手数料表では、セブン銀行口座からセブン銀行ATMで引き出す場合、7時から19時までは無料、時間外は110円と案内されています。預け入れは無料です。これは2026年7月23日に確認した一例であり、他行のカードでセブン銀行ATMを使う場合は、カードを発行した金融機関ごとの条件になります。

ゆうちょ銀行も設置場所で扱いが違います。ゆうちょ銀行店舗内や郵便局内のゆうちょATMでは、通常貯金・通常貯蓄貯金の預け入れと払戻しが、ATMの利用可能時間内は原則無料です。一方、駅、ショッピングセンター、ファミリーマートなどに設置されたゆうちょATMは、平日8時45分から18時、土曜日9時から14時以外は1回110円と公式に案内されています。日曜・休日は終日110円です。一部の郵便局に設置・隣接するATMにも有料の例外があるため、「ゆうちょATM」という名前だけで判断しないことが大切です。

三つ目は、入金と出金の数え方

引き出しが無料でも、預け入れは有料という組み合わせがあります。無料回数制では、入金と出金を合算して一回と数える銀行も、別々に扱う銀行もあります。現金で受け取る機会が多い人や、家計用の現金を月末に戻す人は、引き出しだけでなく預け入れの条件も必要です。

ATMで硬貨を扱えるか、一度に入出金できる紙幣枚数に上限があるかも、必要な人だけ確認します。無料回数を増やすために一回の操作へ無理にまとめるのではなく、ATMと銀行の公式案内に従ってください。

特に「預け入れ無料」と「硬貨も無料」は同じ意味ではありません。ゆうちょ銀行の公式案内では、ゆうちょATMで硬貨を伴う預け入れをすると、1~25枚は110円、26~50枚は220円、51~100枚は330円です。硬貨を伴う払戻しは1枚以上で110円となり、硬貨を扱える時間は平日7時から18時、ATMの種類や場所によっては硬貨自体を扱えません。家計の小銭を戻す用途がある人は、紙幣だけの通常手数料表とは別に硬貨料金も確認します。

四つ目は、無料のために必要な条件

優遇制度では、給与受取、口座振替、預金残高、対象サービスの利用などによって無料回数が変わる場合があります。比較するときは、最上位の回数ではなく、何もしなくても受けられる回数と、普段の取引だけで届く回数を書きます。

ATM手数料を避けるためだけに、不要な投資商品、外貨預金、ローン、クレジットカードを契約することは勧めません。商品自体の費用やリスク、管理の手間が、節約額を上回る可能性があるからです。

比較表は「最大無料回数」ではなく、自分が使う一回で埋める

候補を比べるときは、銀行の最も有利な条件を横並びにするのではなく、次のように自分が実際に使う場面を一行ずつ書きます。下表の人物と時刻は架空の例です。料金欄は、各人が契約中の銀行の公式ページで埋める前提です。

使う場面候補ATM確認する条件採用判断
給料日後の平日18時、駅前で2万円を出金駅構内のATM自分のカードでの出金料金、18時以降の区分無料なら主動線にする
日曜11時、近所で5千円を出金商業施設内のATM休日料金、無料回数の残り有料なら翌営業日まで待てるか決める
月末、紙幣を1回入金コンビニATM入金も無料回数に含むか、対象ATMか出金と合算されるなら回数を再計算する
小銭をまとめて入金硬貨対応ATM硬貨料金、取扱時間、枚数上限手数料が節約額を超えるならATM入金をやめる

この表で重要なのは、「銀行名」ではなく一番右の判断まで埋めることです。「手数料無料の場合あり」では実行時に迷います。「平日18時までならここ」「日曜は使わない」「残り0回なら翌日に回す」のように、ATMの前で再判断しなくてよいルールへ変えます。

スマホATMも、カード利用と同じ条件とは限りません。住信SBIネット銀行は、スマートプログラム対象支店の「アプリでATM」について、セブン銀行・ローソン銀行ATMでの入出金手数料を何度でも無料と案内しています。一方で、対象支店や利用方法によって条件が異なる旨も明記されています。「その銀行なら無料」と広げず、自分の支店、アプリかカードか、対象ATMの三点を照合してください。

公式ページを読むときの順番

料金表は、次の順で読むと見落としを減らせます。

  1. 個人口座か法人口座か、通常支店か提携支店かを確認する
  2. ATM運営会社の名前を確認する
  3. 入金・出金・残高照会のどの取引かを選ぶ
  4. カードとスマホATMのどちらを使うか確認する
  5. 曜日・時刻・無料回数・超過後料金を一つの行で読む
  6. 注記にある対象外店舗、メンテナンス時間、硬貨料金を見る

検索結果の見出しや比較サイトだけで決めず、最終的には銀行の公式料金表を開きます。古いキャンペーン告知が検索上位に残ることもあるため、「適用開始日」「改定日」「現在の料金はこちら」という誘導も確認します。

主口座は「入口と支払い」を止めない銀行にする

主口座は、ATM無料回数だけでなく、給与や年金の受取、家賃、公共料金、クレジットカードなど、家計の入口と支払いを安定して動かせることを優先します。生活圏に自行ATMがある銀行、必要なコンビニATMを無料で使える銀行、勤務先が給与振込先として指定できる銀行などが候補です。

引き出し回数を減らすなら、給料日後に一か月分を一度に下ろすのではなく、自分が安全に保管できる額を決めます。二週間分を月二回など、必要な現金量と無料回数の両方に合う周期にしてください。多額の現金を持ち歩いたり、自宅へ置いたりする危険まで受け入れる必要はありません。

また、ATMへ行く前に残高を確認し、引き出した直後に口座振替が残高不足にならないようにします。手数料をゼロにしても、支払い遅れや再請求が起きれば家計管理の目的から外れます。

予備口座は「主口座の弱点」を一つだけ補う

予備口座を作るなら、役割を一文で言えるようにします。「休日に近所のATMで現金を出す」「出張先で使えるATMを確保する」「災害や障害で主口座が使えないときに備える」などです。目的が言えない口座は増やさない方が管理しやすくなります。

予備口座には、当面必要な範囲を超えて資金を分散させません。口座が増えるほど、残高、暗証番号、登録電話番号、認証アプリ、キャッシュカードの保管、取引通知を管理する手間も増えます。長期間使わない口座は、登録情報が古くなっていないか定期的に確認します。

預金額が大きい場合は、手数料以外に預金保険制度も確認が必要です。金融庁によると、利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金等は、預金者一人当たり、一金融機関ごとに合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。手数料優遇を目的に預金を移すときも、制度の対象や保護範囲を公式情報で確認してください。

ここでいう「一金融機関ごと」は、支店ごと、口座ごとではありません。同じ銀行に普通預金と定期預金がある場合は、対象となる一般預金等を同一名義で合算します。また、当座預金や利息の付かない普通預金など、決済用預金の三要件を満たすものは全額保護されます。ATM無料回数を増やすために残高を寄せる場合でも、「1口座1,000万円」と誤解しないでください。

10分でできるATMゼロ円チェックリスト

紙かスマホのメモを用意し、次の順で確認します。

  • 直近三か月の明細から「ATM手数料」の件数と合計を拾う
  • 手数料が発生したATM名、曜日、時間帯、入金か出金かを書く
  • 自宅、職場、買い物先、最寄り駅の近くにあるATMを一つずつ確認する
  • 主口座の公式ページで、対象ATM、無料時間、無料回数、入出金の数え方を読む
  • 銀行アプリで今月の無料回数を確認できるか探す
  • 次に現金が必要な日と、使う無料ATMを一つ決める
  • 主口座だけで足りなければ、弱点を補う予備口座を一つだけ比較する

比較表を作るなら、列は「銀行名」「普段使うATM」「徒歩何分」「無料の曜日・時間」「無条件の無料回数」「普段の取引で得られる回数」「入金の扱い」「超過後の料金」の八つで足ります。金利や特典を同じ表へ大量に入れると、ATM手数料をなくす目的がぼやけます。

候補が決まっても、すぐに給与振込や口座振替を移す必要はありません。まず現在の主口座で、無料ATMと利用時間を変えるだけで一か月試します。それでゼロにできれば、新しい口座開設や支払先変更の手間を増やさずに済みます。

ATMの前で手数料が表示されたときの判断

予定していた無料条件と違い、確認画面に手数料が表示されたら、急ぎでなければ取引を確定せずに戻ります。次の無料時間まで待てるか、近くの別の対象ATMを使えるか、銀行アプリに無料回数が残っているかを確認します。

ただし、夜間の移動、災害、交通機関の停止、医療など、安全や緊急性が関わる場面では、数百円を避けるために無理をしないでください。ATM手数料ゼロは毎月の通常運用で目指すものであり、危険な場所へ移動したり、必要な現金を我慢したりするためのルールではありません。

やってはいけない選び方

最大無料回数だけで決めない

広告の最大回数には、上位ランクや複数の取引条件が含まれる場合があります。自分が無理なく受けられる回数と、生活圏の対象ATMで比べます。

手数料のために口座を次々と増やさない

一口座増やすたびに、残高不足、不正利用の発見遅れ、カード紛失、認証端末の変更といった管理項目も増えます。まず主口座の使い方を整え、それでも埋まらない弱点だけを予備口座で補います。

手数料を避けるために多額の現金を下ろさない

利用回数を減らすことと、多額の現金を持つことは別です。紛失や盗難の影響を考え、安全に管理できる金額を優先します。必要なら無料回数に余裕のある銀行を選び、少額ずつ下ろせるようにします。

今日やること|次に使うATMを一つ決める

今日することは、口座開設ではありません。銀行アプリで直近三か月のATM手数料を見て、次に現金が必要な日に使う無料ATMを一つ決めます。公式ページで対象ATMと無料時間を確認し、スマホの地図へ保存しておけば、急いでいるときにも選びやすくなります。

それで一か月過ごし、まだ手数料が出たら原因を分けます。場所が合わないのか、時間が合わないのか、無料回数が足りないのか。原因が一つ分かれば、その弱点を補う銀行だけを比較できます。無料回数の競争ではなく、自分の生活動線に無料の出口を置くことが、ATM手数料をゼロにする近道です。

参考にした公式情報

2026-07-23 時点の公式情報調べ。ATM手数料、無料回数、対象時間、優遇条件は変更されることがあるため、利用前に各金融機関の公式ページとATMの確認画面でご確認ください。