節約術

オール電化の電気代を見直す順番

オール電化住宅の電気代を、給湯・暖房・調理に分けて確認する手順を解説。エコキュートの設定、時間帯別料金、太陽光、プラン変更前の試算まで整理します。

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検針票と台所まわりの道具が並んだ机

この記事で分かること

オール電化住宅の電気代を、給湯・暖房・調理に分けて確認する手順を解説。エコキュートの設定、時間帯別料金、太陽光、プラン変更前の試算まで整理します。

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オール電化住宅で請求額が上がったとき、すぐに電力会社や料金プランを替える必要はありません。先に調べたいのは、「何に」「いつ」「どれだけ」電気を使ったかです。給湯、暖房、調理、その他の家電を一つの請求額のまま眺めていると、原因と対策がずれてしまいます。

見直しは、直近12か月の使用量を集め、給湯と暖房を分け、時間帯別の使用量を確認する順番で進めます。そのうえで、エコキュートの設定と生活時間が現在の料金表に合っているかを確かめます。機器の故障や湯切れ、健康上必要な冷暖房を我慢してまで電気を減らす方法は扱いません。

この記事の料金・制度・機器情報は2026-07-23時点で公式情報を確認しています。料金単価、プランの受付条件、機器の操作方法は変わることがあるため、最新は契約中の電力会社と使用中の機器メーカーの公式サイト、料金表、取扱説明書で確認してください。

見直しの全体像は次のとおりです。原因を特定する前に契約を替えるのではなく、上から順に確認します。

順番確認するもの判断できること次へ進む目安
1直近12か月の使用量kWhと請求額使用量増加と単価上昇のどちらが主因か前年同月との差を確認できた
230分値と機器の運転時刻電気を多く使う時間帯給湯・暖房などの候補を絞れた
3エコキュートと暖房の設定不要な沸き増しや長時間運転の有無1週間ほど変更前後を比較した
4現在と候補の料金表生活時間と時間帯単価の相性12か月分を同じ条件で試算した
5太陽光の発電・売電・買電量昼間沸き上げの効果天候の異なる日を含めて比較した

1. 給湯・暖房・調理へ分けて考える

最初に、請求額を「オール電化だから高い」という一つの問題にまとめないことが大切です。オール電化住宅でも、電気の使い方は家庭ごとに異なります。エコキュートなどの給湯、エアコンや蓄熱暖房機などの暖房、IHクッキングヒーターによる調理、冷蔵庫・照明・洗濯乾燥機などの家電へ分けて考えます。

資源エネルギー庁の「エネルギー動向(2025年6月版)」では、2023年度の家庭のエネルギー消費を用途別にみると、動力・照明他が34.2%、給湯が27.7%、暖房が24.2%、厨房が9.7%、冷房が4.2%です。これは日本全体の家庭部門を集計した構成比であり、自宅の電気使用量の内訳ではありません。ただし、給湯と暖房を先に確認する理由を考える手がかりになります。

資源エネルギー庁が紹介した高額請求の一例では、オール電化世帯の電力消費量の約7割が蓄熱暖房機、約2割が電気温水器でした。これも一家庭の事例であり、オール電化住宅全体の平均ではありません。高額になった原因が必ず給湯や暖房にあると決めず、自宅の機器と使用実績を調べます。

まず、家の中の主な電気機器を次の表へ書き出してください。

分類確認する機器の例最初に見る項目
給湯エコキュート、電気温水器型番、運転モード、沸き上げ時刻、残湯量
暖房エアコン、蓄熱暖房機、床暖房設定温度、運転時間、消費電力、予約設定
調理IHクッキングヒーター、オーブン使用回数、使用時間
その他冷蔵庫、洗濯乾燥機、食洗機予約運転の時刻、乾燥の回数

請求額が大きく増えた月に、家族の在宅時間、入浴人数、暖房時間、新しく使い始めた機器が変わっていないかも記録します。機器ごとの消費量を測れない場合でも、変化があった日付を残すと、次の30分値との照合に使えます。

2. 直近12か月の使用量を時間帯別に見る

料金プランを比べる前に、直近12か月分の「使用量kWh」と「請求額」を集めます。請求額だけでは、電気を多く使った影響と単価が変わった影響を分けられません。前年同月の使用量、当月の使用量、請求額を同じ表に置き、まずkWhの増減を確認します。

次に、電力会社の会員ページで時間帯別または30分ごとの使用量を探します。資源エネルギー庁によると、スマートメーターは家庭などの消費電力量を30分ごとに計測できる通信機能付き計量器です。時間帯別料金では、月の合計使用量が同じでも、いつ使ったかによって電力量料金が変わります。

最低限、次の4種類に分けて記録します。

  • 給湯機が沸き上げる時間
  • 朝食・身支度が重なる時間
  • 夕食・入浴・暖房が重なる時間
  • 在宅者が少なく使用量が小さい時間

夜中に大きな山があれば、給湯機や蓄熱機器の可能性があります。夕方から夜に山があれば、調理、入浴、暖房、洗濯乾燥などが重なっているかもしれません。ただし、30分値だけでは機器を特定できません。機器を停止してよい時間に一台ずつ運転時刻を記録し、翌日のデータと照合します。冷蔵庫、見守り機器、医療機器、凍結防止運転などを測定のために停止しないでください。

気温と水温の影響もあります。資源エネルギー庁は、冬は水道水の温度が低く、同じ40℃のお湯を作るにも夏より多くの熱エネルギーが必要になると説明しています。冬の使用量増加をただちに故障と考えず、前年の同じ月と比べるのが基本です。

明細の「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」の違いは、電気代の内訳と燃料費調整額の見方で整理しています。使用量がほぼ同じなのに請求額だけが増えた場合は、内訳の単価を前年同月と比べてください。

3. エコキュートの沸き上げ設定を確認する

エコキュートは、大気中の熱を利用してお湯を沸かし、タンクへためるヒートポンプ給湯機です。見直すときは、リモコンの時計、運転モード、沸き上げ時刻、昼間の沸き増し、残湯量、休止設定を確認します。名称と操作方法はメーカー・型番で異なるため、画面の言葉だけで判断せず、型番に対応する取扱説明書を開いてください。

日本冷凍空調工業会は、エコキュートは各メーカーが勧める効率のよい設定で出荷されており、基本は出荷時設定のまま使うことを案内しています。また、お湯が足りなくなりそうなときは必要な量を沸き足しし、長期不在時は休止機能を使うよう案内しています。料金が気になるからといって、機種の制御を理解しないまま沸き上げ量を下げると、必要な時間に湯切れし、単価の高い時間帯に沸き増しが発生することがあります。

確認は次の順で行います。

  1. リモコンの時計が現在時刻と合っているか
  2. 電力契約の時間帯が給湯機へ正しく設定されているか
  3. 普段の使用量を学習する自動モードになっているか
  4. 昼間の沸き増しが何時に、どの程度発生したか
  5. 来客や連続入浴など、お湯を多く使う日だけ事前に調整できるか
  6. 数日不在のときに休止機能を使えるか

同工業会は、リモコンの時刻がずれると昼間の電力を使い、電気料金が割高になる場合があると注意しています。ただし、昼間に沸かすこと自体が不利とは限りません。太陽光の余剰電力を使う機種や、昼間の沸き上げを前提にした料金メニューもあるからです。時計と契約時間帯を直したあとは、1週間ほど運転実績を見て、湯切れや不要な沸き増しがないかを確かめます。

4. 昼夜単価と生活時間の相性を調べる

時間帯別料金は、「夜が安い」という昔の印象ではなく、現在の料金表で確認します。見るべき項目は、基本料金、時間帯ごとの電力量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、割引、契約期間、解約条件です。

一例として、東京電力エナジーパートナーの「スマートライフS/L」は、2026-07-23の公式掲載で、午前6時から翌午前1時までが1kWhあたり35.76円、午前1時から午前6時までが27.86円です。電力量料金には別途、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が反映されます。同社は、自由料金プランの燃料費調整額には上限がなく、燃料価格が高騰した場合に規制料金より高くなる可能性があるとも案内しています。なお、同じページに掲載されている実績連動型の「スマートライフプラン」は新規受付を停止しています。「スマートライフS/L」と名称が似ているため、契約名を検針票や会員ページで確認してください。

この単価は関東エリアの一社・一プランの現行例です。他地域や別会社、既に新規受付を終えた旧プランへ当てはめないでください。大切なのは、自宅の契約書に書かれた時間区分と30分値を掛け合わせることです。

試算は次の形で行います。

時間帯別の電力量料金 = 各時間帯の使用量kWh × その時間帯の単価

たとえば説明用の仮定として、昼の使用量が250kWh、夜の使用量が150kWh、昼単価が36円、夜単価が28円なら、電力量料金部分は「250×36150×2813,200円」です。これは実在プランの請求額ではなく、計算方法を示す例です。実際の請求では基本料金や各種調整額などを加えます。

夜間の単価差を生かせるのは、給湯や洗濯乾燥などの大きな使用を安い時間へ無理なく移せる家庭です。一方、在宅勤務、夜間の冷暖房、家族の生活時間によっては、高い時間帯の使用を動かせません。生活を料金表に無理に合わせるのではなく、12か月分の実績に料金表を当てて判断します。

料金プラン自体を比べる段階になったら、公開中の電気・ガス乗り換え比較も参考にしてください。期間限定特典は通常料金と分け、特典終了後の総額も確認します。

5. 太陽光がある家庭は買電・売電・自家消費を分ける

太陽光発電がある家庭では、電力会社から買った電力量だけを見ても、家全体の使用状況は分かりません。発電した電気を家で使った「自家消費」、電力会社へ送った「売電」、不足分を購入した「買電」を分けます。

確認するデータは、太陽光の発電量、売電量、買電量、エコキュートの沸き上げ時間です。スマートメーターは、同じ使用場所に設置された発電設備からの発電量も計測できると資源エネルギー庁は説明しています。ただし、会員画面で見られる項目や期間は契約先によって異なります。太陽光モニターやHEMSがある場合は、電力会社のデータと期間をそろえて比べます。

太陽光の余剰電力で昼間に沸き上げる方法は、対応機種と設定を確認してから使います。パナソニックの2024年発売機種の公式説明では、日射量予報を使い、発電量が多いと予想される時間帯を中心に沸き上げる機能があります。同社試算では特定機種・住宅・料金プランなどの条件下で、機能を使わない場合の625kWh/年に対し、使った場合は577kWh/年となり、買電量を約7%減らしたとしています。

この結果は、その機種と試算条件に限られます。パネル容量、方角、地域、天候、給湯量、売電単価、料金プランが違えば結果も変わります。「昼に沸かせば安い」と一律に考えず、次の差額で比べます。

昼間へ移したときの差額 = 増えた昼間買電額 - 減った夜間買電額 + 減った売電収入

昼間の発電だけで賄えず買電が増える日や、余剰電力を給湯へ回した分だけ売電が減る日もあります。晴天日だけで判断せず、晴れ・曇り・雨の日を含む1か月程度の実績を比べます。メーカーの対応機能がない機種で、時刻設定だけを独自に変えることは避け、取扱説明書またはメーカー窓口で対応可否を確認してください。

6. プラン変更前に12か月分を試算する

ここまでの記録を使い、現在プランと候補プランを同じ使用量で比較します。比較サイトの標準世帯ではなく、自宅の12か月分を使うのが要点です。夏と冬では、冷暖房、給湯、水温、在宅時間が変わるため、直近1か月だけの比較では年間の負担を読み違えることがあります。

表計算ソフトへ、月ごとに次の列を作ります。

昼使用量夜使用量基本料金電力量料金調整額賦課金割引月合計
自宅の実績自宅の実績料金表計算計算計算条件確認合算

候補プランごとに、次の条件をそろえます。

  • 同じ12か月、同じ使用量を使う
  • 時間帯区分が違う場合は30分値を再集計する
  • 基本料金と契約容量の決め方を確認する
  • 燃料費調整額の算式と上限の有無を確認する
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金を加える
  • セット割、ポイント、期間限定特典を別欄にする
  • 解約金、工事費、機器設定の変更費用を初年度だけ加える

入力項目をさらに細かくそろえる場合は、候補ごとの条件を同じ形式にそろえた比較表を自分で作ると、単価と期間条件の違いを見落としにくくなります。

料金改定の影響を見るため、「現在の料金表で12か月分を再計算した結果」と「実際に支払った12か月分」を混ぜないようにします。前者はプラン同士の比較、後者は家計実績の確認に使います。

候補が市場連動型なら、月平均の市場価格だけでなく、使用量の多い時間に適用される単価、料金の算式、上限の有無を確認します。自分で再計算できない項目は、電力会社へ「どの使用量に、どの単価を、どの順番で掛けるか」を問い合わせます。特定のプランが合うと断定する材料ではなく、請求額の上振れを家計で受け止められるかまで含めて判断してください。

7. 故障・安全を節約より優先する

使用量が急増したとき、設定変更だけで済ませず、機器の異常も確認します。リモコンにエラーが出る、湯切れが増えた、お湯の温度が安定しない、異音や異臭がする、水漏れがある、ブレーカーが繰り返し落ちるといった症状があれば、使用中の機器の取扱説明書に従い、メーカーまたは施工店へ相談します。内部の分解や電気工事を自分で行わないでください。

停電や断水時に貯湯タンクの水を使える機種もありますが、取り出し方と飲用可否は機種で異なります。パナソニックの対象機種では、非常用取水栓から取り出したタンク内の湯水は飲用を避け、熱湯になる場合があるため注意するよう案内しています。この注意を他機種へそのまま当てはめず、災害時になる前に自宅の取扱説明書を確認します。

また、猛暑や厳寒時に、電気代だけを理由に必要な冷暖房を止めないでください。乳幼児、高齢者、持病のある人、ペットがいる家庭では、室温管理を優先します。機器の凍結防止運転を切ることも、故障や配管損傷につながるおそれがあるため、説明書の指示なしに行いません。

最後に、見直し後の効果は「請求額」だけで判定しません。翌月から3か月間、使用量kWh、時間帯別使用量、給湯の沸き増し回数、湯切れの有無、生活上の負担を記録します。使用量が減っても、湯切れや寒さが増えたなら設定を戻します。料金プランの変更は、その記録をそろえたあとに検討しても遅くありません。

よくある質問

オール電化の電気代が急に高くなったら、最初に何を見ればよいですか?

請求額ではなく、前年同月と当月の使用量kWhを先に比べます。使用量も増えていれば30分値と給湯・暖房の運転時刻を照合し、使用量がほぼ同じなら料金単価や燃料費調整額などの内訳を確認します。

エコキュートが昼間に沸き上げるのは故障ですか?

昼間の沸き上げだけでは故障と判断できません。湯切れを避ける沸き増し、太陽光余剰電力を使う機能、学習運転などが考えられます。リモコンの表示と取扱説明書を確認し、エラー、水漏れ、異音などがあればメーカーや施工店へ相談してください。

夜間料金が安いプランへ替えれば、必ず安くなりますか?

必ず安くなるわけではありません。夜間へ移せる使用量、昼間の単価、基本料金、燃料費調整の算式などで結果が変わります。自宅の30分値を候補プランへ当てはめ、夏と冬を含む12か月分で比べます。

30分値を見れば、どの家電が電気を使ったか分かりますか?

30分値だけでは機器を特定できません。給湯機や暖房の運転履歴、家族の在宅時間、新しく使い始めた機器の記録と重ねて候補を絞ります。安全上止められない機器を測定目的で停止しないでください。

エコキュートの買い替えでは、どの性能表示を見ればよいですか?

ふろ保温機能がある機種は「年間給湯保温効率」、ない機種は「年間給湯効率」が主な比較項目です。日本冷凍空調工業会によると、いずれも所定条件で1年間運転した場合の効率を示す指標です。家族人数に合うタンク容量、地域区分、設置条件、太陽光連携の対応可否も併せて確認します。

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参考にした公式情報

料金や条件は変わることがあります。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

料金の変動を家庭側で引き受けられるか比べる場合は、市場連動型の電気料金プランを次に確認してください。

作成情報:著者は、せつやく暮らし帖編集部(匿名)です。2026-08-23に給湯・暖房・調理、時間帯、買電・売電の切り分けを再確認しました。30分値は契約先が計測・提供する読者のデータで、編集部宅の実測値ではありません。官公庁・業界団体・メーカーの一次情報9件。商品リンクを含む場合は広告ですが、プラン変更しない条件も明示しています。