節約術

お風呂とシャワーはどちらが節水?|家で測る比較方法

浴槽とシャワーの水量を、湯張り量・シャワーの実流量・家族全員の使用時間から比べる方法を、計算例と7日間の記録手順で解説します。

  • #水道代
  • #お風呂
  • #シャワー
  • #節水
  • #実測
浴槽とシャワーの使用水量を比べるメモ

この記事で分かること

浴槽とシャワーの水量を、湯張り量・シャワーの実流量・家族全員の使用時間から比べる方法を、計算例と7日間の記録手順で解説します。

「一人ならシャワー、家族ならお風呂がお得」と聞くことがあります。けれども、人数だけでは決められません。

浴槽へ何リットルためるか。シャワーが1分間に何リットル出るか。家族全員で何分流すか。この3つが家庭ごとに違うからです。

この記事では、水道代全般の節約法を並べません。残り湯やトイレなども含む方法は水道代の節約で扱っています。ここでは、浴槽とシャワーの使用水量を自宅で測り、比べる方法に絞ります。

先に結論|人数ではなく「1日分の総水量」で比べる

比べる式は2つです。

  • 浴槽を使う日の総水量 = 湯張り量 + 洗い場で流したシャワーの水量 + 足し湯
  • シャワーだけの日の総水量 = 1分当たりの実流量 × 家族全員が流した合計時間

浴槽の日に、湯張り量だけを数えるのは不公平です。髪や体を洗うシャワーと、足し湯も足します。シャワーだけの日は、浴室にいた時間ではなく、実際に水を流した時間を使います。

公的な案内には、計算を始めるための目安があります。

環境省「環境の日及び環境月間」は、シャワーの出しっぱなしを1分止めると約12リットルの節水になると案内しています。札幌市の家庭向け省エネ案内も、流しっぱなし5分で60リットル、15分でバスタブ1杯弱と説明しています。

浴槽については、大阪市水道局の節水FAQが、一般家庭の風呂の残り湯を約180リットルとしています。同ページには、使用状態によって異なるという注意もあります。

ここから先は、次の3種類の数字を分けて読みます。

数字の種類この記事での例使い方
公的な目安シャワー約12L/分、浴槽約180L最初の見当を付ける
記事内の仮定浴槽160L、実流量10L/分など計算方法を理解する
自宅の実測値自宅で測った流量・時間・設定量最終判断に使う

公的な二つの目安を組み合わせると、180リットル÷毎分12リットル=15分です。つまり、湯張りだけと同じ水量になるシャワーの合計時間は約15分です。

これは、この記事で行った計算です。全国共通の分かれ目ではありません。節水型のシャワーヘッド、水圧、蛇口の開き方、浴槽の大きさ、湯量設定で結果は変わります。

自宅の3つの数字をそろえる|湯張り量・実流量・合計時間

買い物をする前に、自宅の数字を測ります。必要な物は、容量が分かる容器、計量カップ、タイマー、メモです。

1. 浴槽の湯張り量を確認する

自動湯張りを使う家庭は、給湯器のリモコンと取扱説明書を見ます。「湯量5」のような段階表示なら、その段階が何リットルかをメーカーの説明書で確認します。

説明書がないときは、給湯器のメーカー名と型番を調べます。メーカーの公式サイトから取扱説明書を探してください。

蛇口からためている家庭は、水道メーターの湯張り前後の差から見当を付ける方法もあります。確認中は、洗濯機、食器洗い機、トイレ、ほかの蛇口を使わないようにします。

集合住宅でメーターの場所や読み方が分からない場合は、設備を無断で触りません。検針票や管理会社の案内を先に確認します。

2. シャワーの実流量を10秒で測る

実流量とは、自宅で実際に1分間に出る水量です。次の順に測ります。

  1. 容器を浴室の安定した場所へ置く
  2. シャワーを普段使う温度と開き方にする
  3. 温度と勢いが安定してから、容器へ10秒間受ける
  4. たまった水を計量カップで測る
  5. リットル数を6倍して、1分当たりの流量を出す
  6. 同じ条件でもう一度測る

10秒で1.8リットルなら、1.8×6=毎分10.8リットルです。

2回の結果が近ければ、平均を使います。10秒で1.7リットルと1.8リットルなら、平均は1.75リットルです。毎分流量は1.75×6=10.5リットルになります。

1.2リットルと1.9リットルのように差が大きいときは、平均で済ませません。シャワーの開き方、容器の位置、計時のずれをそろえて3回目を測ります。

滑りやすい浴室で、大きな容器を持ち上げる必要はありません。安全に扱える容器を使い、あとから計量カップで分けて測ります。

3. 家族全員の「流した時間」を測る

タイマーは、シャワーを出したら開始します。止めたら一時停止します。

浴室に20分いても、流した時間が8分なら計算に使うのは8分です。温度が安定するまでに流した水も使った水です。日ごとの記録には、その時間を含めます。

浴槽の日は、次の内容も記録します。

  • 湯張り量
  • 洗い場で家族全員がシャワーを流した時間
  • 温度調整中に流した時間
  • 足し湯をした量、または足し湯をした事実

足し湯の量が分からない日は、「足し湯あり」と残すだけでも役立ちます。数字が不完全な日を、正確な比較日として扱わないためです。

分かれ目を計算する|浴槽の湯量÷毎分流量

まず、湯張りだけとシャワーだけが同じ水量になる時間を出します。

分かれ目の合計時間 = 浴槽の湯量 ÷ シャワーの1分当たりの実流量

早見表は計算方法をつかむためのものです。自宅の実測値が表にない場合は、式へ直接入れてください。

シャワーの実流量浴槽160L浴槽180L浴槽200L
毎分8L20.0分22.5分25.0分
毎分10L16.0分18.0分20.0分
毎分12L13.3分15.0分16.7分
毎分15L10.7分12.0分13.3分

表の時間より短ければ、湯張りだけと比べたシャワーの水量は少なくなります。長ければ多くなります。ただし、浴槽の日に使う洗い場のシャワーはまだ入っていません。

3人家族で総水量まで比べる例

ここでは、次の数字を記事内の仮定として使います。

  • 浴槽の湯張り量:160リットル
  • シャワーの実流量:毎分10リットル
  • 浴槽の日:3人が洗い場で各2分流す
  • シャワーだけの日:3人が各7分流す
入浴方法計算1日分の総水量
浴槽を共有160L+10L×2分×3人220L
シャワーだけ10L×7分×3人210L
220L-210Lシャワーだけが10L少ない

この条件では、シャワーだけの日が10リットル少なくなります。30日すべて同じ条件なら、差は300リットルです。1立方メートルは1,000リットルなので、0.3立方メートルに当たります。

一方、シャワーだけの日に1人8分ずつ流すと、10L×8分×3人=240リットルです。今度は、浴槽を共有する日の220リットルより20リットル多くなります。

1人1分の違いで結果が入れ替わりました。だから、「3人なら浴槽」のように人数だけで結論を決められません。

人数別に考えるときの見方

実流量が毎分10リットル、浴槽が160リットルなら、湯張りだけとの分かれ目は合計16分です。

  • 一人で8分流す:80リットル
  • 二人で各7分流す:140リットル
  • 四人で各5分流す:200リットル

同じ浴槽を続けて共有すれば、湯張り量は人数分には増えません。そのため、人数が増えると浴槽側の水量を抑えやすくなる場合があります。

ただし、入浴の間隔が空けば、足し湯や追い焚きが増えることがあります。水道の使用量と、湯を温める費用は分けて考えます。給湯に使うガスや電気は、給湯方式、契約、季節の水温、設定温度で変わります。光熱費全体の見直しはガス代の節約も参考にしてください。

水道代へ直し、7日間で無理なく試す

水量差が分かっても、「1リットル当たりの平均額」を掛けるだけでは請求差を正しく出せないことがあります。

水道料金には、基本料金と使用量に応じた料金があります。下水道使用料も関係します。料金の段階、メーター口径、検針期間、減免の有無は地域によって違います。

大阪市水道局の料金表と計算式でも、使用水量に応じた表と計算式が示されています。使用水量が0立方メートルでも基本部分の料金があるため、減らしたリットル数に平均単価を掛けた結果と、実際の請求差が一致するとは限りません。大阪市の表は大阪市向けです。ほかの地域へ単価を流用しないでください。

自宅の請求額を試算する手順

  1. 検針票で、使用水量、検針期間、メーター口径を確認する
  2. 自宅を担当する水道事業体の料金表を開く
  3. 自治体の下水道使用料も確認する
  4. 現在の使用量で請求見込み額を計算する
  5. 節水後の使用量でも同じ条件で計算する
  6. 二つの請求見込み額の差を見る

たとえば、1日20リットル減る状態を30日続けると、600リットルです。立方メートルへ直すと0.6立方メートルです。この0.6立方メートルを、現在の使用量から引いた場合の請求額を試算します。

検針票の表示単位や端数の扱いによっては、1回の請求へ細かな差がそのまま出ないことがあります。旅行、来客、洗濯回数、季節も使用量を動かします。1回の検針票だけで、入浴方法の効果を断定しないことが大切です。

まずは買わずに「1分止める」

環境省の案内では、シャワーを出しっぱなしにする時間を1分止めると、約12リットルの節水が目安です。札幌市も5分で60リットルと案内しているため、同じく毎分約12リットルに当たります。

これは自宅の実流量ではありません。それでも、流しっぱなしを見直す最初の目安になります。

札幌市は、水が家庭へ届くまでに、取水、浄水、給水塔へのくみ上げなどで電力が使われるとも説明しています。温水の流しっぱなしを減らすことは、水量だけでなく、水処理や給湯に使うエネルギーにも関係します。

次の項目を7日間だけ記録します。

記録項目書く内容
日付と人数7月27日・3人など
入浴方法浴槽を共有/シャワーだけ
浴槽の量設定160Lなど
シャワー合計時間家族全員で18分など
足し湯なし/あり
計算した総水量220Lなど
無理がなかったか寒い、快適、時間不足など

目標は、入浴を我慢することではありません。髪や体を洗っている間に止められる時間があれば、まず合計1分から試します。

体調、介助、子どもや高齢者の安全、冬の冷えを優先してください。必要な湯量や入浴時間まで削る方法は勧めません。自宅で見つけた流しっぱなしや過剰な湯量だけを見直します。

節水シャワーヘッドを検討するとき

この記事には広告が含まれます。器具を買う前に、今の流量と使い方を測ってください。

環境省「デコ活」の節水機器案内は、節水型シャワーヘッドや手元止水ボタン付きの機器を紹介しています。同ページには削減率や節約額の例もありますが、すべての製品や家庭で同じ結果になるという意味ではありません。

購入前には、次を確認します。

  1. 自宅の水栓へ取り付けられるか
  2. 給湯器と組み合わせて使えるか
  3. メーカーが示す吐水量や使用条件は何か
  4. 手元止水ボタンを使うときに元栓側の操作が必要か
  5. 返品や保証の条件はどうなっているか

交換後は、交換前と同じ温度、同じ開き方、同じ10秒で再測定します。水量が減っても、洗い流す時間が長くなれば、1回分の総水量が思ったほど減らない場合があります。実流量だけでなく、実際に流した合計時間も比べます。

よくある質問

一人暮らしなら、シャワーのほうが節水ですか?

一人暮らしでも、使い方によって変わります。

公的な目安の毎分約12リットルなら、15分で約180リットルです。ただし、これは環境省のシャワー目安と大阪市水道局の浴槽目安を組み合わせた記事内の計算です。

自宅のシャワーが毎分8リットルなら、180リットルに達するまで22.5分です。浴槽が160リットルなら20分です。自宅の実流量と湯張り量を測って比べてください。

家族が何人なら、お風呂をためたほうが節水ですか?

人数だけでは決まりません。

同じ浴槽を家族で共有すれば、湯張り量は人数分に増えません。一方で、浴槽の日も全員が洗い場で長くシャワーを流すと、総水量は増えます。

「湯張り量+洗い場のシャワー+足し湯」と、「シャワーだけの日の家族全員の合計」を比べます。

シャワーを1分短くすると、水道代はいくら下がりますか?

水量の公的な目安は約12リットルです。金額は全国共通ではありません。

地域の上水道料金、下水道使用料、基本料金、メーター口径、現在の使用量で変わります。自宅を担当する事業体の最新料金表へ、変更前後の使用量を入れて差額を確認してください。

節水シャワーヘッドへ替えれば、表示どおり節約できますか?

製品の性能だけでは決まりません。

元の流量、給湯器や水栓との適合、家族の使い方、使用時間、地域の料金で結果が変わります。広告や公的ページの試算例を、自宅の結果としてそのまま使わないでください。

交換前後に、同じ温度と開き方で10秒計測をします。さらに、1回の合計使用時間が伸びていないかも確認します。

前日の残り湯を追い焚きして、翌日も入浴に使えますか?

残り湯を洗濯や掃除へ使う話と、翌日も入浴に使う話は分けて考えます。

大阪市水道局のお風呂Q&Aは、入浴直後と比べて翌朝の浴槽水では雑菌数が大幅に増えると説明しています。追い焚き加熱で死滅しにくい病原細菌があるという報告にも触れ、繰り返し追い焚きして使い続けることは勧めていません。

衛生面を犠牲にして節水しないでください。残り湯を別の用途に使う場合も、洗濯機や洗剤の説明、自治体の案内、家庭の衛生条件に従います。

公式一次情報

確認日: 2026-07-27

まとめ

お風呂とシャワーのどちらが節水になるかは、世帯人数だけでは決まりません。湯張り量、シャワーの実流量、家族全員が流した合計時間をそろえると、自宅の分かれ目を出せます。

今日することは、次の3つです。

  • いつものシャワーを容器へ10秒受け、たまった量を6倍する
  • 給湯器の設定と説明書から、浴槽の湯張り量を確認する
  • 7日間だけ家族全員の合計時間を記録し、1日分の総水量を比べる

2026-07-27 時点の公式情報をもとにしています。料金、製品仕様、対応する給湯器や水栓は変わることがあるため、最新は各社の公式サイトでご確認ください

無理な入浴短縮より、まず流しっぱなしを1分減らします。自宅の数字を知ってから、今のまま続けるか、使い方を変えるか、節水機器を検討するかを選びましょう。

光熱費全体の優先順位も決めたい場合は、水道光熱費の節約総合ガイドへ進めます。

作成情報:著者は、せつやく暮らし帖編集部(匿名)です。2026-08-23に湯張り量・10秒流量・家族の合計時間という比較軸を再計算しました。記事の測定値は読者が自宅で得る値であり、編集部の家庭実測ではありません。公式出典6件。商品リンクを含む場合は広告ですが、節水器具の購入前に無料の測定を優先しています。