冷蔵庫や洗濯機の電気代を見直す前に、エアコンの電気代を下げる方法は別の記事へまとめています。ここでは、冷蔵庫と洗濯機だけに絞ります。
先に覚えたいのは、節約の効果は「使う時間 × 消し方」で決まるということです。冷蔵庫は原則として一年中動かす家電なので、短い操作の差よりも、毎日続く収納・設置・機種の差が積み重なります。一方、洗濯機が洗うために動く時間は限られています。洗濯では、電気だけを細かく削るより、乾燥、水、お湯まで含めて家計全体を見る方が筋のよい順番です。
先にやることは、この3つです
1. 洗濯物を自然乾燥と併用し、乾燥時間を減らす
役割は、洗濯で電気を多く使いやすい乾燥の時間を短くすることです。 資源エネルギー庁の洗濯機・衣類乾燥機の省エネ案内では、自然乾燥を併用して未乾燥のものだけ補助乾燥する方法を紹介しています。
晴れた日は天日干し、室内なら部屋干しと扇風機を組み合わせ、仕上げだけ乾燥機に任せる方法があります。扇風機は洗濯物へ風の通り道を作るように置き、衣類の間隔も空けます。乾きにくい厚手の物だけを分けると、すべての衣類が乾くまで機械を動かし続けずに済みます。
ただし、梅雨、花粉の季節、夜間しか家事ができない家庭、共働きで取り込む時間が読めない家庭には、自然乾燥だけで回す方法が現実的でないこともあります。乾燥機はぜいたくではなく、時間と衛生を守る道具にもなります。毎回やめるのではなく、使える日に一部だけ自然乾燥へ回すくらいで十分です。この記事は、我慢や家事負担の増加を節約として売りません。
2. 冷蔵室を詰め込みすぎず、冷凍室は隙間を減らす
役割は、冷気の流れと冷凍食品どうしの冷たさを生かすことです。 冷蔵室へ食品を詰め込みすぎると、冷気が回りにくくなります。奥の食品も見えにくくなり、同じ物を買ったり、期限を過ぎて捨てたりする原因にもなります。棚の一部を空け、よく使う物の置き場所を決めてください。
面白いのは、冷凍室は逆だという点です。パナソニックの冷蔵庫収納の公式案内では、冷蔵室と違い、冷凍室はなるべく隙間なく詰める方が冷凍効率を上げやすいと説明しています。とはいえ、吹出口や収納上限をふさいだり、扉が閉まりにくくなるまで押し込んだりしてはいけません。取扱説明書の収納範囲を守り、立てて見渡せるようにすると、開けている時間も短くできます。
3. 洗濯は適量をまとめ、回数を減らす
役割は、洗う回数と、そのたびに使う電気・水をまとめて減らすことです。 資源エネルギー庁も、少量を毎日洗うより、洗濯機の容量に合わせてまとめ洗いする方法を案内しています。同庁の比較でも、まとめ洗いは電気だけでなく水道への影響が大きいことが分かります。
ただし、満杯まで押し込むこととは違います。衣類が動けないほど詰めると、汚れが落ちにくくなり、洗い直しで水も電気も余計に使います。洗濯表示と取扱説明書を確認し、衣類が無理なく動く範囲にしてください。泥汚れや色移りしやすい物など、分ける必要がある洗濯物まで一緒にしないことも大切です。
冷蔵庫は「毎日続く負担」を減らす
冷蔵庫は電源を切って節約する家電ではありません。ここでいう「消し方」は、運転そのものを止めることではなく、余計に冷やし直す負担を消すことです。
設定の強さは季節と中身に合わせる
一年中「強」のままなら、設定を見直す余地があります。資源エネルギー庁の冷蔵庫の省エネ案内は、食品の傷みに注意しながら「中」や「弱」へ調整する方法を紹介しています。夏、食品を多く入れた直後、冷え方が弱いと感じるときなどは事情が変わるため、季節だけで機械的に切り替えず、庫内の状態と取扱説明書を見て調整してください。
壁との隙間は取扱説明書どおりに空ける
冷蔵庫は庫内から運んだ熱を外へ逃がします。周囲に隙間がなく放熱しにくいと、冷やすための負担が増えます。必要な間隔は機種ごとに違うため、一律の幅ではなく、取扱説明書の設置条件を正にしてください。上に物を載せる場合も、放熱部をふさがないか確認します。
開ける回数より、開けっぱなしの時間を短くする
家族が使う冷蔵庫で、開閉回数を厳しく数える必要はありません。先に効くのは、何を取るか決めてから開け、探す時間を短くすることです。朝食セット、弁当セット、調味料などをまとめておくと、一度で取り出しやすくなります。扉がきちんと閉まったかも最後に見ます。
熱い物は冷ましてから入れる
熱い鍋や飲み物をそのまま入れると庫内の温度が上がり、冷蔵庫は冷やし直すために働きます。ほかの食品の温度にも影響します。常温へ長く放置せず、浅い容器に小分けするなど安全に配慮し、粗熱を取ってから保存してください。熱いまま入れられる専用機能がある機種は、その説明書に従います。
買い替えは大きな一手。ただし本体代まで含めて決める
古い冷蔵庫から省エネ性能の高い冷蔵庫へ替えると、使い方の工夫より大きな差が出る可能性があります。ただし、まだ問題なく動く冷蔵庫を、電気代だけを理由に急いで捨てるのが家計に有利とは限りません。本体代、配送・設置、古い製品の処分、引っ越し予定、必要な容量まで含めて判断します。
店頭や通販では、資源エネルギー庁が案内する統一省エネラベルを確認できます。冷蔵庫では、多段階評価点や星、省エネルギーラベル、年間目安エネルギー料金などが表示対象です。星は市場にある製品の中での相対的な省エネ性能を比べる入口になります。
同時に、仕様表の年間消費電力量も見ます。これは一定の測定条件に基づく比較用の値です。容量や冷却方式などで基準区分が異なるため、星だけで決めず、暮らしに必要な容量が近い候補どうしで年間消費電力量を見比べてください。ラベルの年間目安エネルギー料金も、自宅の契約単価と使い方そのものを示す請求予測ではありません。
故障が増えた、扉のパッキンが傷んだ、必要な容量が変わった、次の住まいでも使う予定がある。こうした買い替え理由が重なったときに、省エネ性能まで含めて選ぶと判断しやすくなります。近いうちに引っ越すなら、搬入経路や設置場所が決まるまで待つ方がよい場合もあります。
洗濯機は電気代より、乾燥・水・お湯を見る
洗濯機の節約で、運転中の電気だけに注目すると、家計への影響が大きい部分を見落とします。洗う工程では水を使い、温水洗浄なら水を温めるエネルギーが加わり、乾燥では別に電気を使います。だから、「洗濯機の電気代を削る」より「乾燥のしかたを見直す」方を先にするのが基本です。
お湯で洗うなら、給湯の費用も加わる
ガス給湯器のお湯を洗濯へ使えば、水道代だけでなく、お湯を作るためのガス代も加わります。電気で沸かしたお湯なら、加わるのはその電気代です。皮脂汚れなどで温水が役立つ場面はありますが、毎回必要とは限りません。洗濯表示、洗剤の説明、洗濯機の対応温度を確認し、水洗いで足りる物と分けて考えます。
縦型とドラム式は、暮らし方で答えが変わる
縦型とドラム式では、洗い方、使用水量、乾燥方式、得意な衣類が製品ごとに異なります。「どちらならいつでも安い」とは決められません。乾燥まで頻繁に任せたい家庭と、洗濯後は外や室内へ干す家庭では、重視する性能が変わるからです。
買い替えるときは、本体価格だけでなく、自宅で使うコースの標準使用水量、洗濯時と乾燥時の消費電力量、乾燥容量、手入れのしやすさ、設置寸法を同じ順番で比べます。洗濯容量と乾燥容量が同じとは限らないため、乾燥まで一度で終えたい衣類の量も確認してください。
やってはいけない節約
冷蔵庫の電源をこまめに切る
冷蔵庫の電源を切ったり、こまめにプラグを抜いたりすると、食品を安全に保存できません。中身が傷み、捨てることになれば、電気代より食品代の方を失います。長期不在で中を空にする場合も、停止方法や再使用の手順は取扱説明書で確認してください。
洗濯機の水を減らしすぎる
水量を手動で減らしすぎると、衣類が十分に動かず、汚れや洗剤が残ることがあります。洗い直せば節約になりません。節水コースも、衣類の量や汚れ方に合うときに選びます。
省エネだけを理由に、引っ越し前に買い替える
新居の設置場所へ入らない、扉の開く向きが合わない、搬入できないとなれば、買い直しや保管の負担が生まれます。元を取る前に住まいが変わる予定なら、故障など急ぐ理由がない限り、新居の条件を確認してから選びましょう。
家電の工夫より、契約の見直しが効く家庭もある
使い方を整えても請求額が重いなら、家電だけでなく電気・ガスの契約が暮らしに合っているか確認する方法があります。検針票や会員ページを用意し、契約期間や解約条件まで含めた比較は、電気・ガス乗り換え比較で確認してください。
冷蔵庫では、収納、設定、設置を整えて、毎日続く小さな負担を減らす。洗濯機では、乾燥、水、お湯の順に家計への影響を見る。この違いを押さえれば、金額を決めつけなくても、自分の家で先に直す場所が見えてきます。
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