ふるさと納税をした会社員で、確定申告の予定がないなら、ワンストップ特例を使えるか確認しましょう。条件に合えば、寄附先へ申請することで、ふるさと納税分を確定申告せずに控除の手続きができます。
ただし、寄附を申し込んだだけでは手続きは終わりません。紙またはオンラインで申請し、寄附先に受け付けてもらう必要があります。
2026年中の寄附分について、高山市の2026年6月18日更新の案内では、申請期限を2027年1月10日必着としています。郵送は消印の日ではなく、寄附先へ届く日を基準に考えましょう。
この記事では、申請から翌年の税額確認までを7手順で説明します。制度や必要書類は変わる場合があるため、提出前に寄附先自治体の2026年分の公式案内も確認してください。
まず30秒でワンストップ特例を使えるか確認する
ワンストップ特例を使えるのは、次の2つをともに満たす人です。
- ふるさと納税をしなければ、所得税の確定申告や住民税の申告が不要な給与所得者など
- 1月1日から12月31日までの寄附先が5自治体以内
国税庁の「ふるさと納税(寄附金控除)」でも、確定申告が不要な給与所得者などで、寄附先が5団体以内の場合に利用できると説明しています。
会社員でも、医療費控除を受ける人や、住宅ローン控除を初めて申告する人は確定申告をすることがあります。副業の所得や2か所以上からの給与などにより、申告が必要になる場合もあります。確定申告をするなら、ワンストップ特例ではなく、その年のふるさと納税をすべて確定申告へ入れます。
判断の目安を表にまとめます。
| 年内の状況 | 基本の手続き |
|---|---|
| 確定申告・住民税申告の予定がなく、寄附先が5自治体以内 | ワンストップ特例を検討する |
| 寄附先が6自治体以上 | ふるさと納税を確定申告へ入れる |
| 医療費控除などのために確定申告をする | 申請済み分を含む全寄附を確定申告へ入れる |
| ワンストップ申請が期限に間に合わない | 寄附金控除を受けるために確定申告へ切り替える |
ワンストップ特例を使った場合、所得税の還付金が口座へ振り込まれるわけではありません。埼玉県の制度案内では、所得税の控除分に相当する額を含め、翌年度の住民税から控除されると説明しています。
控除額には、所得や住民税所得割額などによる上限があります。この記事では申請手順に絞るため、控除上限の計算は扱いません。
ワンストップ特例のやり方7手順
1. 寄附先と申請件数を一覧にする
最初に、1月1日から12月31日までの寄附を一覧にします。寄附サイトが複数ある場合は、各サイトの履歴をまとめてください。寄附金受領証明書も照合に使えます。
一覧には次の項目を設けると、申請漏れを見つけやすくなります。
- 寄附した日
- 寄附先の自治体名
- 寄附額
- 受付番号や整理番号
- 申請方法
- 申請日
- 受付完了日
5自治体の判定で数えるのは、寄附件数ではなく異なる自治体の数です。同じ自治体へ3回寄附した場合、寄附先は1自治体と数えます。
ただし、申請は寄附の都度必要です。垂水市の公式案内でも、同じ自治体への複数回の寄附は1団体と数える一方、申請は寄附の都度必要と案内しています。3回寄附したなら、3件すべての受付状況を確認しましょう。
2. 寄附先ごとに紙かオンラインかを選ぶ
紙の申請は、多くの自治体で利用できます。オンライン申請は、寄附先が対応している場合に利用できます。
オンラインで使うサービスは全国共通ではありません。自治体マイページ、ふるまど、寄附サイトのアプリなど、寄附先によって入口が異なります。必要な端末、アプリ、暗証番号、締切時刻、受付状況の確認方法も同じとは限りません。
寄附先の公式ページで、次の4点を確認します。
- オンライン申請に対応しているか
- どのサービスやアプリを使うか
- マイナンバーカードと読み取り対応スマートフォンが必要か
- 受付完了をどこで確認できるか
年末に寄附した場合は、申請書の到着を待つと期限に間に合わないことがあります。対応していればオンライン申請を選びます。紙で出すなら、寄附先の公式ページから申請書をダウンロードできないか確認しましょう。
3. 紙申請なら申請書を入手する
紙で申請する場合は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を用意します。寄附の申込み時に送付を希望すると、寄附金受領証明書と一緒に届く場合があります。
届かないときや急ぐときは、寄附先自治体の公式ページを確認します。埼玉県の公式案内には、申請書と記入例が掲載されています。
提出先は、自分が住んでいる自治体ではありません。ふるさと納税をした寄附先の自治体です。事務を委託している自治体では、自治体外の受付窓口が指定されることもあります。封筒へ書く宛先は、寄附先から届いた案内または公式ページで確認してください。
4. 申請書を記入して寄附内容と照合する
申請書では、主に次の項目を確認して記入します。
- 提出日
- 住所、氏名、電話番号、生年月日
- 12桁の個人番号(マイナンバー)
- 寄附した年月日と寄附額
- 確定申告が不要であることの確認欄
- 寄附先が5自治体以内であることの確認欄
住所や氏名は、住民票や本人確認書類と合う内容で書きます。寄附年月日と金額は、寄附金受領証明書や申込履歴で照合します。2つの確認欄も見落とさないようにしましょう。
同じ自治体へ複数回寄附した場合も、申請書は寄附ごとに確認します。複数枚を1つの封筒へ入れられるか、本人確認書類を何部付けるかは、自治体ごとに案内が異なります。全国共通だと考えず、提出先の説明に従ってください。
5. 紙申請なら本人確認書類をそろえる
紙の申請には、「個人番号の確認」と「本人の確認」ができる書類を添えます。
マイナンバーカードがある人は、一般に次の2面をコピーします。
- 裏面:個人番号の確認
- 表面:本人の確認
マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類と本人確認書類を組み合わせます。代表例は次のとおりです。
- 番号確認書類:通知カード、個人番号が記載された住民票など
- 本人確認書類:運転免許証、パスポートなど
この組み合わせは、提出先の案内を優先してください。通知カードの記載事項が現在の氏名や住所と合っているか、住民票のコピーを受け付けるか、顔写真のない書類が何点必要かなどは、自治体の案内で差が出る場合があります。
岡崎市の申請案内では、通知カードについて、記載事項に変更がない場合か、正しく変更手続きが取られている場合に限るとしています。別の自治体へ提出する場合は、その寄附先の公式案内で必要書類を確かめましょう。
6. 2027年1月10日必着で提出する
2026年1月1日から12月31日までの寄附分について、高山市の2026年分の公式案内は、申請期限を2027年1月10日必着としています。
紙は、申請書と本人確認書類を指定の宛先へ送ります。年末年始は郵便や受付処理に時間がかかることがあります。期限直前ではなく、余裕を持って出しましょう。追跡できる方法を使った場合は、問い合わせ番号を保存します。
オンライン申請の一般的な流れは次のとおりです。
- 寄附先が指定するサービスへ登録する
- 受付番号などを使って寄附情報を登録する
- 申請する寄附を選ぶ
- スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る
- 必要な暗証番号を入力して本人確認する
- 送信後に申請状況を確認する
これは共通部分をまとめた流れです。実際の画面や必要アプリは寄附先ごとに異なります。高山市の案内を含め、寄附先が指定する手順を見ながら進めてください。
7. 受付完了を確認して証拠を残す
郵送やオンライン送信をしただけでは、受付完了とは限りません。書類の到着後に、自治体側で内容の確認が行われます。
高山市の案内では、申請から受付処理の完了まで通常3週間ほどかかり、年末年始はさらに時間がかかる場合があるとしています。また、不備を期限までに解消できないと、受付できない場合があると案内しています。
次の記録を寄附ごとに残しましょう。
- 郵送した日と追跡番号
- オンラインの送信完了画面
- 受付完了メール
- サービス上の受付状況
- 不備連絡と修正した日
受付完了の連絡が見つからないときは、迷惑メールフォルダや申請サービスの画面を確認します。処理期間を過ぎても状況が分からない場合は、寄附先の窓口へ問い合わせましょう。
申請後は住所変更と翌年の住民税を確認する
申請後も、2つの確認が残っています。住所や氏名に変更がないかの確認と、翌年度の住民税へ控除が反映されたかの確認です。
寄附した翌年1月1日時点の住所や氏名が申請内容と異なる場合は、「申告特例申請事項変更届出書」を寄附先ごとに提出します。2026年分について、高山市の案内では変更届も2027年1月10日必着です。オンラインで変更できる自治体もあります。
高山市は、寄附した翌年1月2日以降に生じた住所や氏名の変更について、変更届は不要と案内しています。具体的な提出方法は、各寄附先の2026年分の案内で確認してください。
受付完了は、税額への反映確認と同じではありません。翌年度に届く住民税の決定通知書で、寄附金税額控除が反映されているかを確認します。
柏市の公式案内では、給与天引きの人と、普通徴収(自分で納める方法)・年金天引きの人に分けて、通知書での確認方法を説明しています。
- 給与から住民税が引かれる人:勤務先から渡される住民税の特別徴収税額決定通知書を確認する
- 自分で納める人や年金から引かれる人:自宅に届く税額決定・納税通知書を確認する
通知書の名前や記載欄は自治体によって異なります。寄附金税額控除に関する欄が分からない場合は、住民税を担当する市区町村へ確認しましょう。
確定申告へ切り替えるのはこんなとき
次のどれかに当てはまったら、ワンストップ特例だけで終えず、確定申告が必要か確認します。
- 寄附先が6自治体以上になった
- 医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする
- 副業などの理由で確定申告が必要になった
- ワンストップ申請が2027年1月10日の期限に間に合わなかった
- 書類不足などで申請が受け付けられなかった
ワンストップ特例を申請したあとでも、確定申告はできます。ただし、確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になります。
この場合は、申請していない寄附だけを申告するのではありません。ワンストップ申請済みの分を含め、その年のふるさと納税をすべて確定申告へ入れます。 国税庁も、確定申告をする場合はワンストップ申請済みの寄附を含めて寄附金控除を計算するよう案内しています。
期限に遅れたからといって、控除の手続きをすぐに諦める必要はありません。寄附金受領証明書などをそろえ、確定申告で寄附金控除を申告する方法があります。申告が必要か分からない場合は、税務署や住民税を担当する市区町村へ相談してください。
よくある質問
同じ自治体に複数回寄附したら、申請は1回でよいですか?
いいえ。5自治体の判定では同じ自治体を1自治体と数えますが、申請は寄附の都度必要です。3回寄附したなら、3件分の寄附履歴と受付状況を照合してください。
複数の申請書を1つの封筒に入れられるか、本人確認書類を申請件数分用意するかは、寄附先の案内に従います。
2027年1月10日に間に合わなかったら控除は受けられませんか?
ワンストップ特例では受け付けられません。寄附金控除を受けるには、確定申告へ切り替えます。
その際は、期限に遅れた寄附だけではなく、その年のふるさと納税をすべて申告へ含めます。寄附金受領証明書など、申告に必要な書類を保管しておきましょう。
申請後に引っ越しや氏名変更をしたらどうしますか?
寄附した翌年1月1日時点の住民情報と申請内容が異なる場合は、寄附先ごとに変更届を出します。2026年中の寄附分について、高山市の案内では2027年1月10日必着です。
翌年1月2日以降に生じた変更は、高山市の案内では変更届不要としています。提出先ごとの最新案内も確認してください。
ワンストップ申請後に医療費控除で確定申告してもよいですか?
確定申告はできます。ただし、ワンストップ特例の申請は無効になります。
申請済み分も含め、その年のふるさと納税をすべて寄附金控除の申告へ入れてください。一部だけを申告すると、控除に反映されない寄附が生じるおそれがあります。
控除されたかは、いつ・どこで確認できますか?
寄附した翌年度の住民税決定通知書で確認します。給与天引きの人は勤務先から受け取る通知書を見ます。普通徴収や年金天引きの人は、自宅に届く通知書を見ます。
寄附金税額控除の欄名や配置は自治体によって異なります。分からない場合は、住所地の市区町村へ通知書を手元に置いて問い合わせましょう。
公式一次情報
確認日: 2026-07-27
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」: 対象条件と、確定申告をした場合にワンストップ特例が無効になることを確認できます。
- 高山市「ワンストップ特例申請について」: 2026年寄附分の期限、申請方法、変更届、受付状況、不備への対応を確認できます。
- 垂水市「ワンストップ特例申請」: 5団体の数え方と、同じ自治体でも寄附の都度申請が必要なことを確認できます。
- 埼玉県「ふるさと納税ワンストップ特例制度」: 翌年度の住民税から控除される仕組み、申請書、本人確認書類を確認できます。
- 岡崎市「ふるさと納税ワンストップ特例申請書案内」: 申請書の記載例と、通知カードを含む本人確認書類の注意点を確認できます。
- 柏市「ふるさと納税の適用額」: ワンストップ特例の控除先と、住民税決定通知書での確認方法を確認できます。
まとめ
ワンストップ特例は、申請書を送って終わりではありません。対象判定、寄附ごとの申請、受付完了、翌年度の税額確認までを1セットにしましょう。
- 今年の寄附先が5自治体以内か、確定申告の予定がないかを確認する
- 寄附ごとに紙またはオンラインで申請し、2027年1月10日必着に間に合わせる
- 受付完了を保存し、翌年度の住民税決定通知書で控除の反映を確認する
制度、期限、必要書類、オンライン申請の方法は変わる場合があります。公開・申請時点の国税庁と寄附先自治体の公式案内で、2026年分の最新情報を確認してください。