結論:請求内訳、利用量、必要条件、12か月総額の順で比べる
家族のスマホ代は、広告の最安料金から探し始めると比べにくくなります。先に家族一人ずつの請求内訳と使い方を調べてください。その後で、同じ条件にそろえた12か月総額を比べます。
消費者庁も、契約中の料金プランと利用状況を確認し、自分に合う事業者やプランを選ぶよう案内しています。また、広告の料金がすべての割引を適用した後の最安値である場合があるため、割引前の料金、適用条件、適用期間の確認が必要です(消費者庁「自分に合った携帯料金プランになっていますか」、2026-07-27確認)。
見直しは、次の順番で進めます。
- 家族全員の請求を「回線・端末・オプション・割引」に分ける。
- 一人ずつデータ利用量と通話の使い方を確認する。
- 料金以外に残したい機能やサポートを決める。
- 現在と候補を、同じ条件の12か月総額で比べる。
- 端末と電話番号の引き継ぎ方法を確認する。
- まず1回線を開通し、通話と通信を試す。
削減できる金額は、現在の契約や使い方で変わります。根拠のない平均額を自分の節約額だと考えないことが大切です。次の式で出した差額を、家庭ごとの見込み額にします。
節約見込み額 = 現在の12か月総額 - 候補の12か月総額
この記事で使う「複数月を確認する」「最も多い月に少し余裕を持たせる」「1回線ずつ試す」という方法は、失敗を減らすための実用上の目安です。通信会社の公式ルールではありません。
手順1・2:請求を分けて、家族一人ずつの使い方を調べる
スマホ代を4つに分解する
家計簿に「スマホ代2万円」とだけ書いても、乗り換えでいくら下がるかは分かりません。請求額には、回線料金のほか、端末の分割代、追加サービス、各種割引が含まれるからです。
契約中の通信会社の会員ページを開きます。主な名称は「My docomo」「My au」「My SoftBank」「my 楽天モバイル」です。格安SIMでも、料金明細、データ利用量、契約内容に当たる画面を探してください。
家族一人につき、次の項目を1行ずつ記録します。
| 分ける項目 | 書き写す内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 回線 | 基本料金、データ料金、通話料 | 税込か、割引前か |
| 端末 | 毎月の分割額、残額、残回数、終了予定月 | 回線解約後も残る支払い |
| オプション | 補償、留守番電話、動画、音楽、セキュリティー | 無料期間の終了月 |
| 割引 | 家族、固定回線、指定カード、期間限定の割引 | 乗り換えると消える金額 |
たとえば、家族3人の請求が月21,000円でも、回線料金12,000円、端末代6,000円、オプション3,000円なら、まず比較するのは回線料金とオプションです。端末をそのまま使う場合、端末代は乗り換え後も家計に残ることがあります。
My docomoでは、当月と過去4か月分の料金を確認でき、「詳細を確認」から内訳を見られます(NTTドコモ「ご利用料金の確認方法」、2026-07-27確認)。My SoftBankアプリでは、最大過去6か月分の請求金額と契約ごとの内訳を確認できます。家族分がまとめて請求されている場合は、請求内訳の開示設定が必要なこともあります(ソフトバンク「ご請求額をMy SoftBankで確認する」、2026-07-27確認)。
表示できる月数や画面名は、通信会社や時期で変わります。2026-07-27時点の各社公式案内を例として使い、実際の操作では契約先の会員ページを確認してください。
国民生活センターには、携帯電話の買い替え時に不要なオプションが付いていたという相談が寄せられています。同センターは、契約内容、不要な契約の有無、毎月の支払額を契約書で確認するよう助言しています(国民生活センター「不要なオプションが付けられていた!?」、2026-07-27確認)。今の契約だけでなく、新しい契約の確定画面も保存しておくと見直しやすくなります。
データ利用量と通話を複数月で見る
家族一人ずつ、次の4点を調べます。
- 月ごとのデータ利用量
- 契約しているデータ容量
- 容量超過による速度低下があった月
- 通話時間と長電話の回数
この記事では、まず直近3か月を見ることを目安にします。3か月は公式基準ではありません。旅行、入学、長期休暇、Wi-Fiの故障などで使い方が変わる家庭は、確認できる範囲を6か月などへ広げてください。
1か月だけ多かった場合は、理由もメモします。毎月3GB前後なのに、旅行月だけ8GBだった人が、いつも8GB必要とは限りません。反対に、速度制限を避けるため外出先で動画を我慢していたなら、表示された利用量だけで容量を減らすと不便になることがあります。
My auでは月間のデータ利用量などを確認できます。前日分は毎日9時に反映され、当日分は含まれないと案内されています(au「データ利用量を確認したい」、2026-07-27確認)。表示値をリアルタイムの数字だと決めつけず、画面にある集計期間も見てください。
必要容量を決めるときは、通常月と多い月を分けます。迷ったら、多い月の利用量へ1〜2GBほど余裕を足して候補を探す方法があります。これもこの記事独自の安全幅です。家にWi-Fiがあるか、外で動画やテザリング(スマホをWi-Fi代わりにする機能)を使うかによって、必要量は変わります。
通話も同じです。短い連絡が中心なら、通話定額を外した方が安い場合があります。病院、学校、仕事先へ長電話するなら、従量通話の見込み額と5分・10分・完全定額の料金を比べます。無料通話アプリだけを前提にせず、通常の電話を何分使ったかも確認してください。
手順3:月額ではなく同じ条件の12か月総額で比較する
候補は、各社の公式料金ページから探します。比較サイトは候補を見つける入口にはなりますが、申込前の料金と条件は公式ページで確認してください。
大きく表示された月額だけを並べると、条件がずれます。現在と候補の両方について、次の項目を同じ表へ入れます。
| 比較項目 | 現在 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|---|
| 回線月額×12 | 円 | 円 | 円 |
| 通話料・通話オプション×12 | 円 | 円 | 円 |
| 必要な補償・見守り・サポート×12 | 円 | 円 | 円 |
| 初期費用 | 円 | 円 | 円 |
| 乗り換えで消える割引×12 | 0円 | 円 | 円 |
| 条件を満たせる特典 | 0円 | - 円 | - 円 |
| 12か月総額 | 円 | 円 | 円 |
| 現在との差 | 0円 | 円 | 円 |
計算式は次のようにそろえます。
12か月総額 = 回線月額×12 + 通話・必須オプション×12 + 初期費用 + 消える割引の影響 - 条件を満たせる特典
端末代は、回線料金とは別の行で管理します。今の端末を使い続けるなら、どの回線を選んでも残債が家計に残るためです。ソフトバンクは、端末の分割代金が残っている場合、回線解約後も支払い完了まで引き落としが続くと案内しています(ソフトバンク「解約後の残りの機種代金」、2026-07-27確認)。ほかの通信会社を利用中の人も、契約先の公式画面で残額と終了予定を確認してください。
家族3人の計算例
以下は計算方法を示す架空の例です。実在プランの価格や平均的な節約額ではありません。候補欄は、読者が2026-07-27時点以降の公式料金で置き換えてください。
現在の回線料金が、父7,000円、母7,000円、子ども4,000円だとします。合計は月18,000円です。利用量を確認し、候補の回線料金を父3,000円、母2,000円、子ども1,500円と仮定すると、候補の合計は月6,500円です。
回線料金だけの差は、月11,500円です。しかし、ここで計算を終えてはいけません。固定回線とのセット割が月2,200円分なくなり、通話定額が月1,500円増え、初期費用が合計3,300円かかると仮定します。
初年度の差額 = 11,500円×12 - 2,200円×12 - 1,500円×12 - 3,300円
この仮定では、初年度の差額は90,300円です。2年目に初期費用がなくても、料金改定や特典終了があれば同じ金額にはなりません。申込時点の税込価格、割引条件、期間、手数料を公式案内で確認し、試算日も表に残してください。
キャッシュバックは、申込だけで受け取れるとは限りません。受取時期、申請方法、対象プランなどを自分が満たせる場合だけ差し引きます。ポイントも、普段使う予定がなければ現金と同じ価値として計算しない方が家計を見誤りにくくなります。
手順4・5:失う機能と端末を確認し、1回線ずつ乗り換える
安さと引き換えに変わるものを確認する
料金が下がっても、必要な機能がなくなると困ります。候補ごとに次の項目を確認してください。
- キャリアメールを継続できるか。継続が有料なら料金はいくらか
- 留守番電話、キャリア決済、迷惑電話対策が使えるか
- 店舗で申込や初期設定を手伝ってもらえるか
- 故障時の代替機や端末補償はあるか
- 家族割、固定回線とのセット割、指定カード割がどう変わるか
- データ超過後の速度と、追加データの料金
- 余ったデータを翌月へ繰り越せるか
消費者庁の資料では、乗り換えや同じ会社内のプラン変更でも、キャリアメール、留守番電話、一部のキャリア決済、固定回線や家族契約とのセット割などが使えなくなる場合があると案内しています。銀行、学校、通販、二段階認証(本人確認を二重にする仕組み)にキャリアメールを登録している場合は、先に変更先を一覧にしてください。
子どもの回線は、料金だけで見守り機能を外さないことが大切です。こども家庭庁は、子どもの発達段階に合わせて、フィルタリング、有害サイトを避ける設定、利用時間の管理、課金制限などを活用するよう案内しています。MVNO(大手の回線を借りて提供する通信会社)では、サービス内容や費用が事業者ごとに異なります(こども家庭庁「令和8年 春のあんしんネット・新学期一斉行動」、2026-07-27確認)。
オンライン専用プランは、自分で申込や設定を進めるものが中心です。家族が設定を手伝えない場合は、店舗や電話の支援がある候補も残します。サポート料金を含めた12か月総額で判断してください。
今の端末を使う場合の確認順
SIMロック解除だけを見て終わりにしないでください。SIMロックは、特定の通信会社のSIMだけを使えるようにする制限です。新しい端末では、最初からロックがない場合があります。
auは、2021年10月1日以降に新発売された同社端末にはSIMロックがなく、解除は不要と案内しています。一方、以前に発売された対象端末では解除が必要な場合があります(au「SIMロック解除のお手続き」、2026-07-27確認)。
端末は次の順で確認します。
- 乗り換え先の「動作確認端末一覧」で、機種名と型番を探す。
- SIMカードとeSIM(端末内蔵型のSIM)のどちらに対応するか見る。
- 購入元と発売時期から、SIMロックの状態を確認する。
- 乗り換え先が使う周波数帯に端末が対応するか見る。
- APN設定(スマホを通信先へつなぐ設定)が必要か確認する。
- おサイフケータイ、留守番電話など必要な機能の制限を見る。
SIMロックがなくても、対応周波数が合わなければ、場所によって圏外や速度低下が起きる可能性があります。APN設定が必要な場合もあります。判断できないときは、端末の正確な型番を用意し、乗り換え先の公式窓口へ確認してください。
電話番号を残す場合の手順
MNPは、今の電話番号を乗り換え先へ引き継ぐ制度です。番号を残したい場合は、現在の回線を先に自分で解約せず、乗り換え先からMNPを申し込みます。
対応する事業者間のWeb申込では、MNP予約番号がいらないワンストップ方式を使える場合があります。非対応の組み合わせや店頭手続では、予約番号を使うツーストップ方式になります。NTTドコモの案内では、MNP予約番号の有効期間は予約日を含めて15日間です(NTTドコモ「MNPの手続き方法」、2026-07-27確認)。実際の対応状況、必要な残日数、書類は、申込時点で移転元と移転先の公式ページを確認してください。
家族全員を同じ日に変える必要はありません。この記事では、次の順番を勧めます。
- 家族の中で設定に慣れた大人1回線を申し込む。
- 新回線を開通する。
- 発信、着信、SMS、モバイル通信を試す。
- 自宅、職場、通学経路、病院、実家などで電波を確認する。
- 問題がなければ残りの回線を順番に移す。
- 最終申込画面と契約書面で、不要なオプションがないか確認する。
- 端末代や持ち運ぶサービスなど、旧回線の解約後も残る請求を家計表へ残す。
この1回線ずつ試す方法は、制度上の決まりではありません。家族の緊急連絡手段を残しながら使い勝手を確かめるための安全策です。
よくある質問
データ利用量は何か月分を見ればよいですか?
少なくとも複数月を見て、通常月と多い月を分けます。この記事では直近3か月を最初の目安にしていますが、公式基準ではありません。旅行、長期休暇、季節による使い方の差がある家庭は、会員ページで確認できる範囲を広げてください。
家族全員を同じ通信会社にそろえた方が安いですか?
一律には決まりません。同じ会社へそろえて家族割や固定回線割を残す場合と、一人ずつ利用量に合うプランへ移す場合を比べます。家族全体の12か月総額が小さい方を候補にしてください。
乗り換えたら残りの端末代はなくなりますか?
端末の分割代金が残っていれば、回線解約後も支払いが続く場合があります。現在の回線料金とは分けて、残額、残回数、支払終了予定を契約先の公式画面で確認します。
乗り換え前にSIMロック解除は必要ですか?
端末によって異なります。新しい端末はロックがなく、解除不要な場合があります。ただし、解除が不要でも、乗り換え先の動作確認、対応周波数、SIM・eSIM、APN設定は別に確認してください。
電話番号を残すなら、今の回線を先に解約しますか?
先に自己解約せず、乗り換え先でMNPを申し込みます。ワンストップ方式を使えるかは、事業者の組み合わせや申込方法で変わります。申込時点の公式案内を確認してください。
公式一次情報
確認日: 2026-07-27
- 消費者庁「自分に合った携帯料金プランになっていますか」: 利用状況と契約内容を確認し、自分に合う事業者や料金プランを選ぶ考え方が案内されています。
- 消費者庁「携帯料金プラン見直し資料」: データ量・通話時間、割引前価格と条件、乗り換えで変わるサービスの確認点がまとめられています。
- NTTドコモ「ご利用料金の確認方法」: My docomoで複数月の料金と請求内訳を確認する方法が案内されています。
- ソフトバンク「ご請求額をMy SoftBankで確認する」: 複数月の請求額と、家族の契約ごとの内訳を確認する方法が案内されています。
- au「データ利用量を確認したい」: My auで確認できるデータ利用量と、表示へ反映される時刻が案内されています。
- 国民生活センター「不要なオプションが付けられていた!?」: 契約内容、不要なオプション、毎月の支払額を契約書で確認するよう助言しています。
- こども家庭庁「令和8年 春のあんしんネット・新学期一斉行動」: 子どもの発達段階に応じたフィルタリング、時間管理、課金制限の考え方が案内されています。
まとめ
スマホ代の見直しは、安い広告を探す前の準備で結果が変わります。現在の契約と利用量を家族一人ずつ分け、失う割引や必要な機能まで含めて比べてください。数字がそろうまでは、契約を急ぐ必要はありません。
次にやることは、この3つです。
- 家族全員の会員ページを開き、回線、端末、オプション、割引を別々に書き出す。
- 複数月のデータ量と通話を確認し、一人ずつ必要な容量と機能を決める。
- 現在と候補の12か月総額を同じ表で計算し、申込直前に公式条件を開き直す。