スマホ料金の見直しは、「いちばん安い会社はどこか」から入ると失敗しやすくなります。会社ごとにデータ容量や通話の条件が違うため、月額の数字を並べただけでは、自分に合う順番にならないからです。安さだけで決めると、「データが足りない」「通話料がかえって増えた」「今のメールアドレスが使えなくなった」という行き違いが起こります。
先に結論を言うと、全員におすすめできる1社はありません。その代わり、次の3点が分かれば候補はかなり絞れます。
- 直近3カ月のデータ使用量
- 電話をかける長さと回数
- 今のキャリアメール(携帯電話会社のメールアドレス)を残す必要があるか
この記事では、主要な格安SIM・オンライン専用プランの中から、料金体系と得意分野が重ならない6社を選び、通常料金を軸に比較します。期間限定の特典額は条件が変わりやすいため、比較には使いません。向いている人だけでなく、向かない人も正直に書きます。
迷ったら先に見る3つの推奨
まず、よくある3つの使い方への答えを先に出します。どれにも当てはまらない人は、この後の比較表とタイプ別の解説へ進んでください。
1. 月5GB前後で料金を抑えたいなら「IIJmio」
自宅や職場ではWi-Fiを使い、外では地図・連絡・ニュースを見る程度なら、IIJmioが有力です。音声SIM(電話番号つきの契約)の5ギガプランは月額950円で、余ったデータは翌月へ繰り越せます。ドコモ網とau網から選べるため、今の生活圏で使いやすい回線を検討できるのも特徴です。
向かないのは、5GBを毎月大きく超える人と、店舗で手厚く案内してもらいたい人です。当てはまる場合は、料金以外の条件も確認してください。
2. 月30GB前後と短い通話をまとめたいなら「ahamo」
外出先でも動画やSNSを使い、仕事や予約で短い電話をかける人には、ahamoが分かりやすい選択です。30GBで月額2,970円、1回5分以内の国内通話が料金に含まれます。毎月30GBでは足りない人には、110GBで月額4,950円の選択肢もあります。
向かないのは、月3〜5GBしか使わない人です。容量が余りやすく、少量プランを選ぶ方が家計を抑えやすい場合があります。
3. 使う量が月ごとに変わる、または大容量なら「楽天モバイル」
月によってデータ使用量が変わる人には、使った量に応じて料金が変わる楽天モバイルが候補です。Rakuten最強プランは3GBまで月額1,078円、3GBを超えて20GBまで月額2,178円、20GBを超えると月額3,278円です。少ない月と多い月の差を、プラン変更の手続きなしで吸収できます。Rakuten Linkアプリを使う国内通話は無料ですが、一部対象外の番号があります。
注意したいのは電波との相性です。建物内や生活圏でのつながり方は場所と端末で変わります。申し込み前に公式の通信エリアと対応端末を確認し、不安なら今の回線を解約する前に、利用場所との相性を確かめるのが安全です。
主要6社の比較表
下表は音声通話ができるプランを中心に、代表的な通常料金をまとめたものです。端末代、通話料、ユニバーサルサービス料などは別にかかる場合があります。期間限定施策は条件が変わりやすいため、比較から外しています。
| サービス | 代表的なデータ容量・通常料金 | 通話の主な条件 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| IIJmio | 5GB・月額950円 | 通話オプションは別途選択 | Wi-Fi中心で月5GB前後の人 |
| LINEMO | 3GBまで月額990円、3GB超〜10GBは月額2,090円 | 30GBプランは5分以内の国内通話付き | LINEをよく使う人、3GB以下の月が多い人 |
| povo2.0 | 3GB・30日間990円、20GB・30日間2,700円 | 5分以内かけ放題は月額550円 | 必要な時に容量を買いたい人 |
| mineo | 3GB・月額1,298円、30GB・月額2,178円 | 通話オプションは別途選択 | 繰り越しや容量の選びやすさを重視する人 |
| ahamo | 30GB・月額2,970円 | 5分以内の国内通話付き | 月30GB前後で短い通話もする人 |
| 楽天モバイル | 3GBまで月額1,078円、20GB超は月額3,278円 | Rakuten Link利用の国内通話は無料。一部対象外 | 月ごとの使用量に差がある人、大容量の人 |
この表で大事なのは、数字の小さい順が「自分向けの順番」ではない、という点です。容量や通話条件が会社ごとに違うからです。
たとえば、月30GB使う人が3GBの料金だけを見て選ぶと、追加購入や速度制限で使いにくくなります。反対に、月3GBの人が30GBプランを選ぶと、使わない容量へ毎月支払い続けることになります。
タイプ別の結論|あなたに合うのはどれ?
ここからは、使い方のタイプごとに1社ずつ掘り下げます。自分に近い見出しだけ読んでも分かるように書いています。
月3GB以内でLINEをよく使う人:LINEMO
LINEMOベストプランは、月3GBまで月額990円、3GBを超えて10GBまでは月額2,090円です。LINEのトークや通話は「LINEギガフリー」の対象で、データ容量を気にせず使えます。ただし、位置情報の共有やニュース記事の閲覧など、一部対象外があります。
3GBに収まる月が多く、連絡手段がLINE中心の人に向いています。一方で、3GBを少し超えただけでも同じ月の料金帯が変わるため、毎月の使用量を把握していない人は注意が必要です。また、LINEMOはMMS、いわゆる携帯電話会社のメールを提供していません。メールを残したい人は、後述の「キャリアメール」の章を先に読んでください。
月5GB前後で基本料金を抑えたい人:IIJmio
IIJmioの音声SIMは、5ギガプランが月額950円です。余ったデータを翌月へ繰り越せるため、使用量が少ない月の分を次の月に回せます。家族など同一契約内でデータ容量を分け合う機能もあります。
低容量と料金のバランスを優先する人には有力です。ただし、混雑する時間帯の使い心地は、利用場所や回線状況の影響を受けます。オンライン会議や高画質動画を外出先で長く使う人は、料金だけでなく、必要な容量と利用時間帯も含めて検討してください。
必要な月だけデータを買いたい人:povo2.0
povo2.0は、データ容量や通話機能を「トッピング」としてアプリで購入する仕組みです。データ3GBは30日間990円、20GBは30日間2,700円、使い放題は24時間330円です。5分以内の通話かけ放題は月額550円です。
旅行や出張の月だけ容量を増やす、副回線として備えるといった使い方に向いています。一方、データには利用可能期間があるため、購入の手間や期限の管理を負担に感じる人には向きません。トッピングが0GBの状態では通信速度が最大128kbpsになり、長期間の継続利用には条件もあります。毎月同じ容量を自動で使いたい人は、月額制の方が管理しやすいでしょう。
容量の選択肢と繰り越しを重視する人:mineo
mineoのマイピタは、音声通話とデータ通信を使えるデュアルタイプで、3GBが月額1,298円、7GBが月額1,518円、15GBが月額1,958円、30GBが月額2,178円、50GBが月額2,948円です。余ったデータは翌月へ自動で繰り越されます。
月5GBでは少し足りないが10GB前後を使う、という中間の人や、月ごとの差を繰り越しで吸収したい人に合います。注意点は2つあります。容量を使い切った後の速度は最大200kbpsであること。そして、初期費用として契約事務手数料とSIMカード発行料、またはeSIMプロファイル発行料が必要なことです。月額だけでなく、開始時の費用も公式料金表で確認してください。
月30GB前後で短い電話もする人:ahamo
ahamoは30GBで月額2,970円、1回5分以内の国内通話が含まれます。5分を超えた分は30秒22円です。30GBでは足りない場合、80GBを追加する大盛りオプションが月額1,980円で、合計110GB・月額4,950円になります。
容量と短時間通話を一つの料金で管理したい人には分かりやすいプランです。反対に、電話をほとんど使わず、データも少ない人には過剰になりやすいプランです。また、申し込みや各種手続きはオンラインが中心なので、対面で相談したい人はサポート方法も先に確認しましょう。
データ使用量の上下が大きい人:楽天モバイル
Rakuten最強プランは、3GBまで月額1,078円、3GBを超えて20GBまで月額2,178円、20GBを超えると月額3,278円です。少ない月と多い月で自動的に料金帯が変わるため、プラン変更の手間を減らせます。
通話は、Rakuten Linkアプリを使う国内通話が無料です。ただし、0570などから始まる他社接続サービスや一部特番は対象外です。OS標準の電話アプリを使う場合は30秒22円なので、発信時に使うアプリを間違えないよう注意してください。また、自宅、職場、通勤経路など、よく使う場所のエリア確認を申し込み前に行ってください。
キャリアメールを残したい人は、申込前に確認する
現在使っているメールアドレスが @docomo.ne.jp、@au.com、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jp などで、銀行、学校、仕事、各種会員登録に使っている場合は、乗り換え前の整理が必要です。
順番はこうです。まず、そのメールアドレスが本当に必要か確認します。必要なら、現在契約している携帯電話会社の「メール持ち運び」サービスの対象、申込期限、料金を公式サイトで確認してください。
ここで勘違いしやすいのは、「乗り換え先にメールがあれば大丈夫」ではない点です。乗り換え先が新しいメールアドレスを提供しても、今までのアドレスがそのまま引き継がれるわけではありません。たとえばmineoは @mineo.jp のメールを提供していますが、これは新しいアドレスです。LINEMOはMMSを提供していません。
長期的には、Gmailなど携帯電話会社を変えても使えるメールへ重要な登録先を移しておくと、次回の乗り換えが楽になります。メールが必要な人の結論は「メールがある会社を選ぶ」ではなく、「今のアドレスを残す手続きを先に確認する」です。
乗り換え前に準備するもの
先に、言葉を1つだけ説明します。MNPは「携帯電話番号ポータビリティー」の略で、今の電話番号を新しい会社でもそのまま使う仕組みです。対応する会社同士のオンライン手続きでは、転出元でMNP予約番号を取らずに進める「MNPワンストップ」を使える場合があります。申込画面にワンストップの案内がなければ、現在の会社でMNP予約番号を発行してから申し込みます。
その上で、次を揃えておくと途中で止まりにくくなります。
- 本人確認書類
- 支払いに使うクレジットカードまたは口座情報
- 現在の契約者名義と住所
- 連絡を受け取れるメールアドレス
- 利用するスマホの機種名と型番
- Wi-Fi環境。特にeSIM(端末内蔵のSIM情報をオンラインで設定する方式)の設定時に必要です
- MNP予約番号。ワンストップ方式を使える場合は不要です
失敗を防ぐ乗り換え手順
手順1:直近3カ月のデータ使用量と通話を確認する
一月だけでは、旅行や連休で使用量が偏ることがあります。現在の携帯電話会社の会員ページで直近3カ月を見て、普段の容量と多い月の容量を確認します。
電話については、短い通話が多いのか、長電話があるのか、LINE通話などが中心なのかを分けておきます。ここが分かると、かけ放題などの通話オプションが必要かどうかを判断できます。
手順2:端末の対応状況とSIMロックを確認する
今のスマホをそのまま使うなら、乗り換え先の「動作確認済み端末」一覧で、機種名だけでなく型番まで確認します。同じ商品名でも、販売元によって型番や対応周波数が違うことがあるからです。
SIMロックは、端末を特定の携帯電話会社の回線に制限する仕組みです。SIMフリー端末やロックのない端末もありますが、古い端末などでは解除が必要な場合があります。povo2.0も、対応端末であることに加えて、必要に応じたSIMロック解除を案内しています。端末の設定画面と購入元の公式案内を確認してください。
手順3:SIMカードかeSIMを選ぶ
SIMカードは、スマホへ差し込む小さなカードです。届くまで待つ必要がありますが、対応端末が分かりやすく、端末を替える時に差し替えられます。
eSIMは、端末内蔵のSIM情報をオンラインで設定する方式です。配送を待たずに進められる場合がありますが、対応端末、安定したWi-Fi、プロファイルのダウンロードなどが必要です。設定に使うQRコードを同じスマホへ表示すると読み取れないため、パソコンや別の端末を用意するか、各社が案内する別の設定方法を確認します。
手順4:新しい会社へ申し込む
電話番号を残す場合は「他社から乗り換え」を選びます。「新規契約」を選ぶと新しい電話番号になるため、入口を間違えないようにしてください。
もう1つ、契約者名義が転出元と転入先で違うと手続きが進まない場合があります。入力前に、現在の登録情報を確認しておきます。
手順5:SIMが届くか、eSIMの準備が整ってから回線を切り替える
ここが最も大切です。物理SIMなら、新しいSIMカードが手元に届き、設定手順を読める状態になってから回線切替を行います。eSIMなら、Wi-Fiへ接続し、設定に必要な情報を表示できる状態にします。
回線切替が完了するまでは転出元の回線を使える会社がありますが、切替後は古い回線が使えなくなり、新しい回線の設定が終わるまで電話や通信を使えない時間が生じます。mineoの公式案内では、MNP転入切替の完了に約30分かかり、切替完了までは転出元回線を利用できるとしています。
所要時間や受付時間は会社ごとに異なります。出勤直前、外出直前、夜遅くは避け、連絡が途切れても困らない時間に作業してください。
手順6:開通後に通話と通信を確認する
開通したら、Wi-Fiを一度切り、モバイルデータ通信でWebページを開けるか確認します。次に、発信と着信、SMSの送受信を試します。問題がある場合は、端末の再起動、SIMの差し直し、モバイルデータ通信の設定を確認します。
APNは、スマホを携帯電話会社のデータ通信網へ接続するための設定です。端末や会社によって自動設定される場合と、自分で構成プロファイルのインストールや項目入力をする場合があります。別会社の古いAPN構成プロファイルが残っていると接続できないこともあるため、必ず乗り換え先の公式手順を見ながら設定してください。
よくあるつまずきポイント
MNP予約番号を早く取りすぎた
予約番号には有効期限があります。さらに、転入先が申し込み時に一定以上の残日数を求める場合があります。ワンストップを使わない場合は、必要書類と端末確認を終えてから予約番号を取り、同じ流れで申し込みまで進めると期限切れを避けやすくなります。
SIMロック解除だけで使えると思った
ロックを解除しても、端末が乗り換え先の回線や周波数、音声通話方式に対応していなければ使えません。「SIMロック解除済み」と「動作確認済み」は別の確認項目です。公式の対応端末一覧で型番を照合してください。
回線切替を先に押してしまった
新しいSIMやeSIMを設定できる状態になる前に切り替えると、電話が使えない時間が長くなります。物理SIMは到着後、eSIMはWi-Fiと設定情報を準備してから切り替えます。受付時間外では翌日の処理になる会社もあるため、公式の受付時間も先に見ておきます。
APN設定を忘れた
アンテナ表示があってもデータ通信だけできない場合は、APN設定が完了していない可能性があります。特に格安SIMでは設定が必要になることがあります。端末のOSと契約回線に合う公式手順を選んでください。
キャリアメールの変更を後回しにした
乗り換え後に、重要なサービスの認証メールを受け取れないと困ります。銀行、クレジットカード、学校、仕事、通販、SNSなどの登録先を確認し、乗り換え前にメールアドレスを変更するか、現在の会社の持ち運び手続きを確認します。
6社を選んだ理由
今回の6社は、知名度だけではなく、読者の使い方ごとに異なる選択肢を示せるように選びました。
- IIJmio:月5GB前後の低容量と繰り越しを比較するため
- LINEMO:3GB以下、LINE中心、ソフトバンク回線の候補を示すため
- povo2.0:必要な容量を都度買う、月額制とは異なる選び方を示すため
- mineo:容量の選択肢、繰り越し、複数回線から選べる格安SIMを示すため
- ahamo:30GBと短時間通話をまとめたドコモのオンライン専用プランを示すため
- 楽天モバイル:使用量連動の料金と大容量の選択肢を示すため
UQ mobileやワイモバイルなども有力ですが、セット割引や家族構成によって料金の見え方が変わります。今回は「割引の組み合わせを前提にせず、通常料金と使い方で比較しやすいこと」を優先し、6社へ絞りました。
最後は月額料金ではなく、生活に合う総額で決める
選び方をもう一度まとめます。
- 月3GB以内でLINE中心ならLINEMO
- 月5GB前後で料金を抑えたいならIIJmio
- 必要な月だけ容量を買いたいならpovo2.0
- 容量の選択肢と繰り越しを重視するならmineo
- 月30GB前後で短い通話もするならahamo
- 使用量の上下が大きい、または大容量なら楽天モバイル
ここへ、通話オプション、初期費用、端末代、メール持ち運びなどを足した金額が、自分にとっての本当の比較対象です。乗り換えが絶対にお得とは限りません。最初に直近3カ月の利用状況を確認し、候補を2社まで絞り、最後に生活圏の通信エリアと対応端末を公式サイトで確認してください。
料金だけで急いで決めるより、「自分が毎月どのようにスマホを使うか」を基準に選ぶ方が、乗り換え後のやり直しを減らせます。
料金・条件は 2026-07-16 時点の各社公式サイト調べ。最新は公式サイトでご確認ください。